酪農や肥育牛の生産では、多種多様な飼養のスタイルがあります。AHCは多くの牧場さんの課題解決に取り組む中で、「生産現場で活かせる有意義な情報」を提供してきました。生産の現場で質問を受ける点、より多くの農家さんにお届けしたいと考えております。
下痢の対応:乳用牛と肉用牛の生産者には大きな違いがあります。
- 新生子~3ヶ月齢までの飼料給与について、本来的には乳用子牛も肉用子牛も同様である筈ですが、実際のところ、乳用牛生産者は、子牛に長物・粗飼料を早めに給与する傾向が強く、草の未消化による下痢が多発しております。
- 肉用牛生産者では3ヶ月齢まで草を給与しないことが重要だと考えています。そのため、草の未消化による下痢は少ないと考えます。
- ホルスタイン牛の子牛はミルク摂取、スタータ/配合摂取について消化吸収するキャパシティが大きい傾向があります。
- そのため、飼料給与プログラムの大きな間違いが無ければ、基本的に食べ過ぎによる下痢は起こりづらいと考えます。
- 黒毛和種牛の子牛では、ミルク摂取量、スタータ/配合の摂取、そして消化吸収のキャパが小さいため、ミルクの給与量の過剰による、トータルな栄養吸収の問題、そして下痢発症が多いと考えます。
- 第1胃の完成、第1胃内の絨毛層の充実、それらのメカニズムを正しく理解して、スタータ/配合依存の時期から草依存の時期といったデリケートな期間における飼料給与の変換を上手に対応することが重要です。
- ワクチン接種プログラム、アイボメック駆虫、コクシ対策等々についての適正対応も重要です。
- 病気をさせないで効率良くウシを頑健に大きくする様に検討していきましょう。