トランス脂肪酸 赤外分光法は、食品中のトランス脂肪酸を迅速に評価できる分析方法です。近年、品質管理や自主検査を目的として、従来のガスクロマトグラフ法(GC)に加え、赤外分光法を用いた分析ニーズが高まっています。
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸に含まれる二重結合の構造が「トランス型」となっている脂肪酸の総称です。
主に以下のような食品中に含まれることがあります。
部分水素添加油脂を使用した加工食品
マーガリン、ショートニング
焼き菓子、揚げ物など
近年、健康影響への関心の高まりから、自主的な含有量管理や品質確認を目的として、トランス脂肪酸の分析ニーズが増えています。
トランス脂肪酸が注目される理由
トランス脂肪酸は、過剰摂取によりLDLコレステロール増加などへの影響が指摘されており、
WHOは摂取量を可能な限り低減することを推奨しています。
日本国内では法的な表示義務はありませんが、
自主的な品質管理
海外輸出対応
取引先からの要請
といった理由から、分析によるエビデンス確保が重要になっています。
トランス脂肪酸の主な分析方法
ガスクロマトグラフ法(GC)
ガスクロマトグラフ法は、脂肪酸をメチルエステル化(FAME化)したうえで分離・定量する方法です。
特長
個別脂肪酸の定量が可能
国際的にも広く用いられる標準的手法
精度・再現性に優れる
留意点
前処理工程が多い
分析日数・コストが比較的かかる
赤外分光法(IR)
赤外分光法は、トランス型二重結合に特有な吸収帯を利用し、トランス脂肪酸量を評価する方法です。
特長
試料前処理が簡便
分析時間が短い
コストを抑えやすい
用途
スクリーニング
自主検査・傾向管理
迅速な品質確認
試験目的に応じた分析方法の選択が重要
トランス脂肪酸分析では、「どの程度の精度・情報が必要か」によって最適な試験法が異なります。
| 試験目的 | 推奨試験法 |
|---|---|
| 詳細な組成把握 | ガスクロマトグラフ法 |
| 含有有無・傾向確認 | 赤外分光法 |
| 納期・費用重視 | 赤外分光法 |
| 規制・取引先対応 | ガスクロマトグラフ法 |
当社のトランス脂肪酸分析対応
当社では、ガスクロマトグラフ法および赤外分光法の両方に対応し、
試験目的やご要望に応じた分析方法のご提案が可能です。
納期を抑えたい
試験費用をできるだけ抑えたい
自主検査用途で活用したい
詳細な脂肪酸組成を確認したい
といったご要望に応じて、最適な試験設計をご案内いたします。
まとめ
トランス脂肪酸分析は、目的に応じた試験法の選択が重要です。
赤外分光法とガスクロマトグラフ法を使い分けることで、
品質管理の効率化とコスト抑制の両立が可能となります。
トランス脂肪酸分析をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
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