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コクシジウム症
コクシジウムの概要
胞子虫類のEimeriaやIsospora属の原虫が感染する疾病。オーシストの経口感染によって広がります。消化器系の異常を引き起こします。
要因
コクシジウムのほとんどがEimeria属の寄生で起こっています。牛ではツルニ(E.zuernii)、ボビス(E.bovis)の2種類が強い病原性を持つことで有名です。
疫学
オーシストの経口感染によってのみ広がります。世界中に分布します。牛だけでなく、鶏、豚、うさぎ、ヤギ、犬、猫も発生します。オーシストの胞子形成が容易な高温多湿の時期に多く、育成場や放牧場での集団発生もよくあります。
症状
原虫の腸管上皮細胞内寄生による下痢や血便、出血性腸炎が認められます。
コクシジウムの病変
ツルニ(E.zuernii)など重篤な症状を引き起こす高病原原虫に濃厚感染した場合、1歳未満の幼若の子牛では急性コクシジウム症として発熱や食欲廃絶、下痢があります。肛門筋が麻痺し、脱肛を起こしたり、細菌の二次感染で死亡することもあります。他のコクシジウムとの混合感染では軟便、下痢の持続や発育不良が起こります。
コクシジウムの診断
糞便中のオーシストを検出します。検出には浮遊法を用います。糞便には夾雑物が多く、オーシスト数や病原性虫の正確な判定には経験が必要になります。ウィスコンシン変法は優れた方法ですが、現場での対応には向きません。
AHCでは、コクシジウム糞便検査を受託しています。
予防や治療
畜舎環境の消毒によりオーシストを死滅させる方法があります。オーシストは薬剤抵抗がありますが、熱には弱く、蒸気消毒やクレゾール消毒による定期消毒が有効な場合があります。また、個体に抗コクシジウム剤を投与する方法もありますが、耐性を与えないよう注意が必要です。
コクシジウム予防対策のご相談があれば、お問い合わせ下さい。
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株式会社AHC 付属家畜病院
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