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クリプトスポリジウム症
クリプトスポリジウム症の概要
要因
胞子虫類に属するクリプトスポリジウム原虫の感染による。大型種(Cryptosporidium Mutis)と小型種(C.parvum)が知られる。クリプトスポリジウムは宿主の腸管上皮細胞の微絨毛に侵入して寄生体胞を形成し、無性生殖によりメロゾイト 形 成を行う。
疫学
世界各国でヒトをはじめとする哺乳動物、鳥類、爬虫類、魚類を宿主とする。感染は感染子牛に接触した管理者に多く見られること、ヒト及び動物から分離されたオーシストが相互に感染性を示す人畜共通感染症である。
症状
下痢、血便などの消化器障害。
クリプトスポリジウム症の病変
3~4日令から4週令までの子牛に見られる。日齢の低い幼牛ほど症状は重い。感染牛では血液を混じる黄色の水様性下痢、食欲不振、発育不良、脱水する。数日から10日前後の下痢が続く。ウィルスなどの他の病原微生物との混合感染ではその日数は持続し、症状が悪化する。
クリプトスポリジウム症の診断
糞便からオーシストを検出する。急性期の牛では多量のオーシストを排出するが、クリプトスポリジウムのオーシストは極めて微小であり、塗抹観察法では夾雑物との識別・確認が難しい。集オーシスト後、染色や微分干渉顕微鏡等を用いて識別観察を行う。
予防や治療
感受性の高い新生子牛の早期隔離飼育は感染対策が用意になる。感染牛の糞便中には多量のオーシストが含まれているため、環境汚染を起こさないよう処理が必要である。オーシストは熱や乾燥に弱く、60℃以上で感染性を失い、乾燥状態では死滅する。糞便の処理は完熟堆肥化が有効である。なお、多くの消毒薬、抗コクシジウム剤や抗生物質は本原虫に対して、薬効がないとされる。
AHCではクリプトスポリジウム予防対策や排出糞便の完熟堆肥化についてご相談をいただいております。お問い合わせ下さい。
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