「取引先から残留抗生物質の確認を求められた」「養殖魚や食肉を出荷する前に自主的に調べたい」「スクリーニングで陽性が出たが、どう判断すればよいか分からない」。こうした声に、リーズナブルな一次スクリーニングと、結果の解釈のサポートでお応えします。
食肉や鶏卵、養殖魚などの残留抗生物質 検査は、出荷前の安全確認とポジティブリスト制度への対応に欠かせません。とはいえ、すべての検体を高額な定量分析にかけるのは現実的ではありません。そこで実務で役立つのが、安価で迅速な一次スクリーニングです。この記事では、検査の仕組みと、もっとも迷いやすい「結果の見方」を、専門機関の視点で整理します。
残留抗生物質とは?食品で問題になる理由
残留抗生物質とは、家畜や養殖魚の治療・予防に使われた抗生物質や抗菌性物質が、食肉・鶏卵・牛乳・魚介などに残った状態を指します。日本では食品衛生法のポジティブリスト制度により、物質ごとに残留基準値が定められています。基準を超えた食品は販売できず、出荷停止や回収につながることもあります。
そのため、生産や加工の現場では出荷前の確認が重要になります。ただし、対象となる抗菌性物質は多種類にのぼります。つまり、すべてを個別に定量するより、まず幅広く「残っていないか」を一度に調べる方が効率的です。
残留抗生物質 検査の一次スクリーニング(仕組みと特徴)
一次スクリーニングでは、抗生物質に感受性のある試験菌を用います。検体に一定量以上の抗菌性物質が残っていると、試験菌の生育が抑えられ、阻止円や色調の変化として現れます。つまり「効いてしまう=残っている可能性が高い」というシンプルな原理です。
この方法の利点は、安価で迅速、かつ幅広い抗菌性物質を一度に拾える点にあります。一方で、どの物質がどれだけ残っているかまでは分かりません。そのため、あくまで「残留の有無を推定する」一次ふるい分けと位置づけるのが適切です。なお、より詳しい内容は残留抗生物質スクリーニングの試験内容でもご案内しています。
| 項目 | 一次スクリーニング | 確認試験(定量) |
| 分かること | 残留の有無(推定) | 物質の特定と濃度 |
| 費用・速さ | 安価・迅速 | 高価・時間を要する |
| 主な用途 | 日常の自主管理・受入確認 | 陽性時の確定・規制対応 |
結果の見方|陽性・陰性が示すものと判定の注意点
もっとも大切なのが、この結果の解釈です。まず陰性の場合、スクリーニングの検出レベルを超える残留は確認されなかったことを意味します。そのため日常の出荷判断では、この陰性が一次的な安全確認の材料になります。
一方、陽性が出ても、ただちに基準値違反というわけではありません。スクリーニングの陽性は、あくまで「残っている可能性がある」という推定陽性です。たとえば卵白に含まれるリゾチームのように、抗生物質以外の成分が試験菌を抑え、偽陽性となることもあります。そのため陽性のときは、確認試験で物質を特定し、濃度を残留基準値と照合する流れが基本になります。
なお、検出の感度は物質によって差があります。つまり、陰性であっても万能ではなく、目的に応じて確認試験を組み合わせる判断が欠かせません。具体的には、輸出向けロットや取引先要件が厳しい場合は、はじめから定量を選ぶ判断もあり得ます。
| 結果 | 意味 | 次のアクション |
| 陰性 | 検出レベルを超える残留なし(推定) | 一次的な出荷判断の材料に |
| 陽性 | 残留の可能性あり(推定陽性) | 確認試験で特定・定量し基準値と照合 |
| 判断に迷う | 偽陽性や感度差の可能性 | 検体状況を踏まえ専門機関に相談 |
一次スクリーニングと確認試験の使い分け、AHCの対応範囲
実務では、まず安価な一次スクリーニングで広く確認し、陽性や疑わしい結果のときに確認試験へ進む二段構えが効率的です。AHCでも、この考え方に沿って一次スクリーニングをリーズナブルにご提供します。さらに、結果の見方や確認試験の要否のご相談も承ります。一方、定量による確認試験は提携機関と連携して対応します。畜産現場の管理は畜産・動物衛生のコンサルティングでも支援しています。
| 試験・対応 | AHCの対応 |
| 残留抗生物質の一次スクリーニング(微生物学的な阻止円法) | ✅ 実施(ISO/IEC 17025 認定範囲外として実施) |
| 結果の解釈・確認試験の要否のご相談 | ✅ 対応します |
| 確認試験(LC-MS/MS等による定量・物質同定) | ⚠️ 提携機関にて対応(要相談) |
・食肉、鶏卵、養殖魚などの生産・処理を行う事業者さま
・輸出向けロットや取引先要件で残留確認が必要な食品事業者さま
・仕入れ原料の受入検査として、まず安価に確認したい方
・スクリーニングで陽性が出て、次の判断に迷っている方
| STEP1 お問い合わせ・お見積り | STEP2 検体の送付・引取 | STEP3 一次スクリーニング | STEP4 (陽性時)確認試験のご提案 | STEP5 報告書の発行 |
株式会社AHCは、1977年創業の食品・環境微生物検査機関です。ISO/IEC 17025:2017 認定ラボ(PJLA L26-134、ILAC-MRA署名)として、食品の一般生菌数・大腸菌群・黄色ブドウ球菌の3項目を認定試験として実施しています。残留抗生物質の検査は認定範囲外として実施します。品質保証の考え方はISO 17025 品質保証への取り組みをご覧ください。
まとめ
残留抗生物質の管理では、まず安価な一次スクリーニングで広く確認し、陽性のときに確認試験で定量する二段構えが基本です。特に大切なのは、陽性が「推定」であり、偽陽性や感度差を踏まえて解釈する点にあります。つまり、結果の見方を正しく押さえることが、過不足のない出荷判断につながります。検査の選び方や結果の解釈でお困りの際は、検査のお問い合わせ、またはお電話(027-253-1515)よりお気軽にご相談ください。
外部参考資料
・厚生労働省「食品中の残留農薬等」(ポジティブリスト制度・残留基準値)
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