食品施設への衛生調査や調査方法のご案内。

2021年4月10日

当社は微生物検出のエキスパートコンサルタントととして、お客様への工場や厨房に 衛生調査 にお伺いします。初回の訪問のQ&Aでは、食品には洗浄、消毒、加熱等の除菌・殺菌する工程があるにも関わらず、微生物管理が難しいというお悩みをいただくこともあります。事業者様においては、最終製品の微生物数のコントロールの努力をしているにもかかわらず結果がともなっていない、微生物残存するケースがあるのはなぜかというご質問です。

食品は、製造現場の環境、装置あるいはヒトから微生物汚染を受ける可能性があります。特殊な環境や製造方法で作られる食品以外は、ほとんどの食品に微生物が残存しています。リスクゼロは理想的ではありますが、現実的にはさまざまな制約もあるため、許容できる公衆衛生上のゴールを設定し、それを達成することが重要となります。

汚染微生物の中には、ヒトに病原性を与える病原微生物と食品の品質に悪影響を与える微生物があります。食品工場としては、これらの微生物をより迅速に把握し、安全性と品質を保証した製品を出荷できるシステムを構築するお手伝いをさせていただいておりますが、ありがたいことに当社のコンサルタントは結果に結びつくとご好評を博しております。食品製品の試験のご依頼も多くの事業者様よりご愛顧をいただいておりますが、当社のそのような衛生調査サービスをご存じなかったというお客様がいらっしゃったので、AHCとして情報発信不足を反省し、時間を見つけては少しずつ関連記事を起こしてみたいと考えております。

ところで、現場での簡易・迅速を目的としたさまざまな手法が開発されています。ご訪問先、食品製造施設で実施する試験には、 問題の程度を調査すること、 傾向を管理(バラツキが少ない)、 規格基準への合否を確認する等のいずれかの目的が備わっています。食品製造ラインの洗浄後の清浄度の測定には、ふき取り法やスタンプ法と呼ばれる微生物検査法を用います。定量値が得られるまでには数日を要しますが、検査結果を現場にフィードバックさせて、現場での改善や指導に役立ちます。より迅速に結果を知りたい場合には、清浄度の測定方法としてATPふき取り検査法を用います。

ATPとは、生きている細胞に含まれているアデノシン三リン酸のことで、ATPを分析することにより、微生物、食物残渣等の汚れを測定し、清浄度を調べる方法です。Mgイオン存在下でルシフェリンとルシフェラーゼの反応を利用し、発光量を計測します。ATP量に発光量が比例することから食物残渣等の汚れの存在を確認することができます。ATPのような安定な物質は、微生物以外の食品や食品残渣に含まれるATPも同時に測定されますがそれらを区別することはできません。ATPふき取り検査法は食品中の微生物量の検査よりも、現場における洗浄や器械・器具の清浄度の検査に活用されています。ATPふき取り検査法は、数分以内で結果が得られますので、管理基準値を定めておけば洗浄不良な箇所が指摘でき、再洗浄を実施する指標にすることができます。

管理基準の設定にはあらかじめ、測定対象における従来の方法とATPふき取り検査法との比較をしておく必要があります。ATP測定用の試薬や発光量測定機器を、現場で迅速に利用できる検査法となっています。

食品施設の 衛生調査 にはAHCをご活用ください。

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