異物検査は、食品や製品に混入した異物の正体を科学的に特定する検査です。消費者からのクレーム対応や品質管理の現場で、迅速かつ正確な分析が求められています。
しかし、混入した異物の種類は多岐にわたります。そのため、適切な分析方法を選ぶことが重要です。この記事では、異物検査の種類や分析手法、依頼の流れを解説します。
食品に混入する異物の種類
食品への異物混入は、製造・流通・保管のあらゆる段階で発生する可能性があります。混入物は大きく「生物由来」と「非生物由来」に分けられます。
具体的には、毛髪や虫などの生物由来異物が最も多く報告されています。特に毛髪は食品工場で最も頻発する異物です。加えて、金属片やプラスチック破片、ガラスなどの非生物由来異物も重大な問題となります。
一方で、カビや変色のように一見異物に見える品質劣化もあります。つまり、肉眼での判断だけでは原因を特定できないケースが少なくありません。このように、専門的な分析が必要になる場面は多いのです。
厚生労働省の「食品衛生法」でも、異物混入は食品等事業者の衛生管理上の重要課題として位置づけられています。
主な分析方法と使い分け
異物の正体を突き止めるには、複数の分析手法を組み合わせます。それぞれの手法に得意分野があるため、適切な使い分けが鍵となります。
FT-IR(フーリエ変換赤外分光法) は、プラスチックやゴム、繊維などの有機物の特定に優れています。試料に赤外線を照射し、吸収パターンから物質を同定します。なお、AHCでは当日報告にも対応しています。
デジタルマイクロスコープは、毛髪や虫、植物片などの形態観察に使います。異物の表面構造や色を詳細に記録できます。さらに、デジタルカメラとの連携で高精細な画像レポートを作成します。
SEM-EDS(走査型電子顕微鏡+エネルギー分散型X線分析) は、金属片やガラスなどの無機物の元素組成を特定します。特に微小な金属異物の出所を推定する際に有効です。
このように、異物の材質に応じて最適な手法を選択することが、正確な原因特定の第一歩です。
異物検査の依頼から報告までの流れ
異物検査の依頼は、想像よりもむずかしくありません。
ステップ1: 異物を採取します。ピンセットなどで慎重に取り出し、清潔な容器や密閉袋に入れてください。この際、素手で触らないことが大切です。
ステップ2: 検体を送付します。AHCでは電話やメールでの事前相談にも対応しています。異物の状況を伝えることで、最適な分析方法を提案します。
ステップ3: 試料の分析を実施します。FT-IRによる同定であれば、比較的早い段階で結果をご報告できます。その結果を混入原因の特定と再発防止策の検討にお役立て下さい。
検査結果は写真付きの報告書として納品されます。
クレーム対応と再発防止への活用
異物検査の結果は、消費者対応と再発防止の両面で活用できます。実際に、検査結果に基づく説明は消費者の納得感を大きく高めます。
たとえば、「黒い異物」の正体がゴマの焦げであった場合、その科学的根拠を示すことでクレームを円満に解決できます。逆に、製造ラインの部品が混入していた場合は、設備点検のきっかけとなります。
さらに、HACCP導入企業では異物検査の記録が衛生管理の重要なエビデンスとなります。このように、検査結果を蓄積することで、工場全体の品質管理レベルを向上させることが可能です。
定期的な異物検査は、問題が起きる前の予防策としても有効です。「ふきとり検査」や「落下細菌検査」と組み合わせることで、総合的な衛生管理を実現できます。
AHCの異物検査が選ばれる理由
AHCはISO/IEC 17025認定の試験機関です。異物検査においては、FT-IR・顕微鏡・EPMA、EDXなどを含む複数の分析装置を備えています。
シンプルな分析の対応スピードには自信があります。FT-IRによる分析は最短で報告が可能です。加えて、経験豊富な技術スタッフが異物の状態に応じた最適な分析方法を選定します。
個人のお客様から食品メーカー様まで、検体の大小を問わず対応いたします。「異物検査のご紹介」ページでも分析事例をご覧いただけます。
異物の正体が気になったら、まずお気軽にご相談ください。検査のお申込みは「検査依頼書一覧」またはお問い合わせよりどうぞ。TEL: 027-253-1515(営業時間 8:30〜17:30)
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