冷凍食品の検査基準は、食品衛生法に基づき4つの区分ごとに定められています。しかし「自社の冷凍食品がどの区分に該当するのか」「具体的に何を検査すればよいのか」と悩む品質管理担当者は少なくありません。そこでこの記事では、冷凍食品の検査基準を区分ごとにわかりやすく解説します。
冷凍食品の検査基準と4つの区分
食品衛生法(昭和34年厚生省告示第370号)では、冷凍食品を以下の4区分に分類しています。それぞれ成分規格が異なるため、まず自社商品がどの区分に該当するかを正しく判断することが重要です。
区分1:無加熱摂取冷凍食品は、解凍後にそのまま食べる冷凍食品を指します。たとえば冷凍フルーツや冷凍ケーキなどが該当します。つまり、消費者が加熱せずに口にする食品です。
区分2:加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱)は、製造工程で加熱調理した後に凍結した食品です。具体的には、冷凍コロッケ(揚げ済み)や冷凍焼きおにぎりなどが該当します。
区分3:加熱後摂取冷凍食品(凍結直前未加熱)は、凍結する直前に加熱されていない食品です。たとえば生の衣をつけた冷凍エビフライや冷凍餃子(生タイプ)が該当します。
区分4:生食用冷凍鮮魚介類は、刺身用の冷凍まぐろや冷凍サーモンなど、生で食べる魚介類の冷凍品です。なお、生かきは別の規格が適用されるため、この区分には含まれません。
さらに保存基準として、すべての冷凍食品は-15℃以下での保存が義務付けられています。ただし業界団体である日本冷凍食品協会は-18℃以下を推奨しており、実務上はこの基準が広く採用されています。
区分別の成分規格と検査項目
冷凍食品の検査基準は区分によって検査項目と基準値が異なります。ここでは各区分の成分規格を整理します。
無加熱摂取冷凍食品(区分1)は最も厳しい基準が設けられています。一般生菌数(細菌数)は1gあたり100,000以下であること、さらに大腸菌群が陰性でなければなりません。加熱せずに食べるため、微生物リスクが高い区分です。
凍結直前加熱の冷凍食品(区分2)も同様に、一般生菌数は1gあたり100,000以下、大腸菌群は陰性が求められます。すでに加熱されているにもかかわらず基準が厳しい理由は、加熱後の二次汚染を検出する必要があるためです。
凍結直前未加熱の冷凍食品(区分3)は、検査指標が異なります。一般生菌数は1gあたり3,000,000以下であること、そしてE.coli(大腸菌)が陰性でなければなりません。ここで注目すべきは「大腸菌群」ではなく「E.coli」が指標となる点です。未加熱の食品は原材料由来の大腸菌群が検出されやすいため、より糞便汚染に特異的なE.coliを指標にしています。
生食用冷凍鮮魚介類(区分4)は、一般生菌数が1gあたり100,000以下、大腸菌群が陰性であることに加え、腸炎ビブリオの最確数が100以下という基準も課されます。生食のリスクを反映した厳格な規格です。
このように、冷凍食品の検査基準は区分によって「大腸菌群」と「E.coli」のどちらを検査すべきかが変わります。検査項目の選定ミスは規格不適合の見落としに直結するため、細菌検査の専門機関に相談することを推奨します。
自社商品の区分を判定する方法
実務で最も迷うのが「自社の冷凍食品はどの区分なのか」という判断です。特に区分2と区分3の境界は、製造工程によって変わるため注意が必要です。
判定の基準は2つの質問で整理できます。まず「消費者が食べる前に加熱するか?」を確認します。加熱しないなら区分1(無加熱摂取冷凍食品)です。
次に「凍結する直前に加熱工程があるか?」を確認します。加熱工程があれば区分2(凍結直前加熱)、なければ区分3(凍結直前未加熱)です。
たとえば冷凍チャーハンは、工場で炒めた(加熱した)後に凍結するため区分2に該当します。一方、冷凍の生餃子は、生のまま凍結するため区分3です。
この判定は食品検査・分析を依頼する際に必ず必要になります。判断に迷う場合は、製造フローを検査機関に伝えて確認することをお勧めします。
なお、切り身やむき身の冷凍鮮魚介類で生食用のものは区分4です。ただし生かきは冷凍食品の規格ではなく「生食用かき」の規格が適用されます。
検査で不適合になった場合の対応
冷凍食品の検査基準を満たさなかった場合、その製品は販売できません。特に大腸菌群やE.coliが陽性となった場合は、製造ラインのどこで汚染が起きたかを特定する必要があります。
原因追及の第一歩は、製造環境の衛生状態を確認することです。拭き取り検査を実施して、調理台・器具・作業者の手指の汚染状況を把握しましょう。
次に、原材料ごとの微生物検査を実施します。加熱後に検出された場合は、加熱工程後の二次汚染が疑われます。具体的には、冷却工程や包装工程での環境汚染が原因となるケースが多く報告されています。
また、保存温度の管理も重要な確認ポイントです。-15℃を上回る温度での保管は微生物増殖のリスクを高めます。そのため温度記録の確認も忘れずに実施してください。
不適合が発生した際のフローを事前に整備しておくことが、HACCP運用の基本です。特に冷凍食品工場では、出荷前検査の頻度設定が品質管理の要となります。
AHCの冷凍食品検査サービス
AHCは、ISO/IEC 17025認定のPJLA国際認定試験所として、冷凍食品の検査基準に完全対応した細菌検査を提供しています。
対応検査項目には、一般生菌数、大腸菌群、E.coli、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、サルモネラなどが含まれます。さらに食品衛生法の成分規格に基づく試験だけでなく、自主管理基準に基づくカスタム検査にも対応可能です。
全国どこからでも検体を郵送でお送りいただけます。また、検査結果のご報告は迅速に行い、不適合時の原因追及についてもアドバイスいたします。
冷凍食品の規格検査や品質管理についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
![]()