食肉製品の検査は、食品衛生法で5つの区分ごとに異なる規格が定められた複雑な分野です。しかし「ハムやソーセージで何を検査すればよいのか」「生ハムと加熱ハムで基準が違うのか」と悩む事業者は多いでしょう。この記事では、食肉製品の検査に必要な区分別の規格基準を解説します。
食肉製品の5つの区分
食肉製品は食品衛生法で明確に分類されています。まず食肉製品の定義を確認します。ハム、ソーセージ、ベーコン、ビーフジャーキーなどが該当します。加えてローストチキン、ハンバーグ、ミートボールも対象です。
ただし注意点があります。生ハンバーグなど食肉部分が生のものは対象外です。また焼き鳥、トンカツ、肉の佃煮も食肉製品ではなく惣菜扱いです。
区分は5つに分かれます。まず乾燥食肉製品です。ドライソーセージやビーフジャーキーが該当します。次に非加熱食肉製品があります。生ハム、生サラミ、パルマハムなどです。
加えて特定加熱食肉製品もあります。中心温度63℃で30分以外の加熱殺菌を行った製品です。そして加熱食肉製品は2つに分かれます。容器包装後に加熱したものと、加熱後に容器包装したものです。
この区分判定が検査項目の選定に直結します。つまり自社製品がどの区分か正確に把握することが最初のステップです。
区分別の成分規格
各区分には異なる成分規格が適用されます。検査項目と基準値を整理します。
乾燥食肉製品は最もシンプルです。E.coli陰性と水分活性0.87未満の2項目です。乾燥による水分活性の低下が微生物の増殖を抑えます。
非加熱食肉製品は4項目の検査が必要です。E.coliは1gあたり100以下、黄色ブドウ球菌は1gあたり1,000以下となります。加えてサルモネラ属菌陰性、リステリア・モノサイトゲネスは1gあたり100以下が必要です。大腸菌群ではなくE.coliで管理する点が特徴です。
特定加熱食肉製品も4項目です。E.coli 100以下、クロストリジウム属菌1,000以下、黄色ブドウ球菌1,000以下、サルモネラ属菌陰性です。クロストリジウム属菌が追加されるのは、加熱処理後に芽胞形成菌が残存するリスクがあるためです。
加熱食肉製品(包装後加熱)は2項目のみです。大腸菌群陰性とクロストリジウム属菌1,000以下となります。一方、加熱食肉製品(加熱後包装)は3項目です。E.coli陰性、黄色ブドウ球菌1,000以下、サルモネラ属菌陰性です。
なぜ指標菌が区分で変わるのか
食肉製品の区分で指標菌が変わる理由は明確です。それぞれの製造工程の特性に対応した設計です。
包装後加熱製品では容器内で加熱殺菌します。つまり二次汚染のリスクが低い状態です。そのため大腸菌群で環境汚染を見る設計です。一方、加熱後包装製品は加熱後に包装工程で二次汚染のリスクがあります。そこでE.coliと黄色ブドウ球菌で管理します。
非加熱食肉製品は加熱していない分、より厳格な基準です。つまりリステリア菌の規格も追加されます。リステリアは低温でも増殖する特殊な細菌です。そのため冷蔵流通の生ハム類には特に重要な指標となります。
乾燥食肉製品は水分活性が低いため、微生物の増殖自体が抑制されます。そのため規格もシンプルに設計されています。
細菌検査の項目選定は区分判定が前提です。
食肉製品の一般規格と製造基準
食肉製品には全区分共通の一般規格もあります。亜硝酸根の含有量が1kgあたり0.070gを超えてはいけません。これは発色剤として使用される亜硝酸ナトリウムの上限です。
製造基準も詳細に定められています。非加熱食肉製品の製造では原料肉の温度管理が重要です。具体的にはと殺後24時間以内に4℃以下に冷却します。またpHが6.0以下であることが求められます。
さらに塩漬工程にも基準があります。乾塩法、塩水法、一本針注入法のいずれかで行います。加えて食肉温度を5℃以下に保持しながら、水分活性0.97未満まで塩漬けします。
製造工程での衛生管理が検査結果に直結します。そのため拭き取り検査による環境モニタリングも併用すべきです。厚生労働省でも製造基準の遵守が求められています。
AHCの食肉製品向け検査サービス
AHCはISO/IEC 17025認定試験所です。食肉製品の検査に幅広く対応しています。5つの区分すべての成分規格試験に対応可能です。
具体的にはE.coli、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、リステリア・モノサイトゲネス、クロストリジウム属菌の検査を提供します。加えて水分活性測定や食品検査・分析も対応します。
自社製品がどの区分に該当するかの判定もサポートします。全国どこからでも検体を郵送できます。
食肉製品の規格検査や製造基準についてお悩みの方はお問い合わせください。
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