ノロウイルス食品検査とは、食品そのものにノロウイルスが含まれていないかを調べる検査です。従業員の検便検査とは異なり、製品や原材料を直接分析する点が特徴です。特に嘔吐下痢の流行時には「自社製品が原因ではないか」という疑いを晴らすために依頼されるケースが増えています。
本記事では、食品のノロウイルス検査の方法・費用・検便検査との違いを専門機関の視点で解説します。
検便検査と食品検査の違い
ノロウイルスの検査には2つの種類があります。しかし、目的が全く異なるため混同しないことが大切です。
検便検査(従業員向け)は、食品を扱う従業員がノロウイルスに感染していないかを調べるものです。便を検体とし、保菌者の早期発見を目的としています。具体的にはノロウイルス検便検査のページで詳しく説明しています。
一方、食品検査(製品・原材料向け)は、食品そのものにウイルスが含まれていないかを調べます。たとえば、洋菓子・弁当・惣菜・生野菜・二枚貝などが対象です。顧客からクレームが入った際や、流行時の自主検査として依頼されるのが一般的です。
つまり、検便は「人」を調べ、食品検査は「製品」を調べるという明確な違いがあります。
食品からウイルスを検出する仕組み
食品のノロウイルス検査には、リアルタイムRT-PCR法が用いられます。この方法は厚生労働省も推奨している標準的な手法です。
検査の流れはシンプルです。検体となる食品から特殊な処理でウイルスの遺伝子(RNA)を抽出します。その後、RT-PCR装置で遺伝子を増幅し、ノロウイルスの有無を判定します。
なお、この方法は非常に高感度で、ごく微量のウイルスでも検出が可能です。ただし、培養法と異なり「生きたウイルス」と「不活化されたウイルス」の区別はできません。そのため、加熱済み食品から陽性が出た場合には結果の解釈に注意が必要です。
リスクの高い食品と検査のタイミング
ノロウイルス汚染のリスクが高い食品は多岐にわたります。
最も注意すべきなのは二枚貝(カキ、アサリ等)です。生食用だけでなく加熱用にも汚染のリスクがあります。加えて、調理済み食品も重要な検査対象です。洋菓子やサンドイッチ、弁当など、調理者の手指を介して汚染される可能性は否定できません。
さらに、サラダや刻み野菜などの非加熱食品にもリスクが存在します。実際に、刻みのりを介した大規模なノロウイルス食中毒事例が過去に発生しています。
このように、嘔吐下痢の報告が相次ぐ時期には製品の安全性を証明するための自主検査が有効です。検査で陰性を確認できれば、取引先や消費者への説明根拠として活用できます。
検査費用と納期の目安
食品のノロウイルス検査は、検便検査と比較すると費用が高くなる傾向があります。
その理由は、食品からのウイルス抽出工程が追加されるためです。検便であれば便中のウイルスを直接検出できます。しかし、食品検査では複雑な前処理が必要になり、その分の作業コストが加わります。
納期は通常5〜7営業日程度です。ただし、流行期には検査依頼が集中するため、余裕を持ったスケジュールでの依頼をおすすめします。至急対応が必要な場合は、事前にご相談ください。
また、検査結果は報告書として発行します。
AHCの食品ノロウイルス検査
AHCではリアルタイムRT-PCR法による食品のノロウイルス検査を受託しています。洋菓子、弁当、惣菜、水産物など幅広い食品に対応可能です。
検体は宅配便で全国からお送りいただけます。冷蔵(チルド)で発送してください。検査依頼書をダウンロードの上、検体と一緒にお送りいただくだけで手続きは完了します。
さらに、従業員の検便検査と食品検査を同時に実施すれば、汚染経路の特定にも役立ちます。これに加えて、ふきとり検査を組み合わせることで、製造ラインの環境モニタリングも実現できます。
ISO/IEC 17025認定ラボとして信頼性の高い検査結果をお届けします。流行期の緊急検査にも対応しますので、お気軽にお問い合わせください。
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