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乳酸菌飲料の規格基準|種類別の検査項目と試験方法

乳酸菌飲料の規格基準は、食品衛生法に基づく「乳等省令」で定められています。なお、種類により基準値が変わります。

乳酸菌飲料の規格基準は、種類別に基準値が違います。さらに、試験方法も乳等省令で定められています。

そのため、本記事では、規格基準を整理し検査項目と試験方法のポイントを解説します。

よくお寄せいただくご相談

  • OEM先から成分規格の試験成績書を求められたが、どこに依頼すべきか判断したい
  • 使用菌株が特殊で、標準培養条件で正しい菌数が出るか不安がある
  • 殺菌タイプ製品でラベル表示と試験法の整合を確認したい
  • ビフィズス菌と乳酸菌の混在製品で、それぞれの菌数を分けて測りたい

乳酸菌飲料の規格基準とは|食品衛生法上の位置づけ

乳等省令が定める3つの大分類

まず、乳酸菌飲料の規格基準は、食品衛生法に基づく「乳等省令」に規定されています。具体的には、正式名称が「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」です。

つまり、乳・乳製品・関連食品の成分規格を定めた業界の根本ルールにあたります。さらに、乳等省令は乳酸菌を用いた飲料を3つに分類します。

具体的には、まず発酵乳。次に乳製品乳酸菌飲料。そして乳酸菌飲料の3つです。加えて、生菌タイプと殺菌タイプに細分化されます。このように、実際には5つの規格パターンが存在します。

無脂乳固形分による境界線

つまり、分類の境界線は無脂乳固形分の含有率で決まります。具体的には、次の表で整理しました。

無脂乳固形分 該当する種類別 乳等省令上の分類
8.0%以上 発酵乳 乳製品
3.0%以上 〜 8.0%未満 乳製品乳酸菌飲料 乳製品
3.0%未満 乳酸菌飲料 乳等を主要原料とする食品

※製造業許可・表示要件にも影響するため、初期段階で確定が必要

このように、同じ乳酸菌入り飲料でも原料配合で適用規格が変わります。また、製造業許可や表示要件にも影響します。

そのため、製品開発の初期段階で必ず確認すべき論点です。なお、分類判定でご不安があればお気軽にご相談ください。

種類別の成分規格|乳酸菌数と無脂乳固形分の基準値

具体的には、数値基準は次の表のとおりです。なお、乳酸菌数または酵母数は1mL当たりの最低基準を示します。

種類別 無脂乳固形分 乳酸菌数または酵母数
(1ml当たり)
大腸菌群
発酵乳 8.0%以上 1,000万以上 陰性
発酵乳(殺菌) 8.0%以上 適用外 陰性
乳製品乳酸菌飲料 3.0%以上 1,000万以上 陰性
乳製品乳酸菌飲料(殺菌) 3.0%以上 適用外 陰性
乳酸菌飲料 3.0%未満 100万以上 陰性

出典:乳等省令別表二、HACCP衛生管理の手引書(2021年8月版)

生菌タイプの基準値

まず、生菌タイプは1mlあたり100万〜1,000万の乳酸菌数が必須です。具体的には、発酵乳と乳製品乳酸菌飲料は1,000万以上です。一方、乳酸菌飲料は100万以上が下限になります。

殺菌タイプの扱い

一方、殺菌タイプは乳酸菌数の規格が「適用外」です。なぜなら、発酵後の加熱殺菌で保存性を高めるからです。そのため、生菌の存在を前提としません。

大腸菌群が共通必須となる意味

ただし、すべての分類で大腸菌群は陰性が必須です。つまり、乳酸菌数の規格を満たしても大腸菌群が出れば出荷できません。このように、製造工程の衛生管理が成分規格と同等の重みを持ちます。

大腸菌群と衛生指標菌|陰性が必須となる理由

まず、大腸菌群はグラム陰性の無芽胞桿菌です。さらに、乳糖を分解して酸とガスを産生します。具体的にはEscherichiaCitrobacterEnterobacterKlebsiellaなどの属です。つまり、衛生指標菌の代表格にあたります。

ただし、大腸菌群の検出は状況で意味が変わります。たとえば、加熱処理済み製品から検出された場合、加熱不良または二次汚染が疑われます。

一方、未加熱食品から検出された場合は糞便汚染や環境汚染を示します。なお、乳酸菌飲料は原料殺菌工程を含むため、出荷品から検出されれば工程管理に問題があると判断されます。

具体的には、試験方法は乳等省令で定性試験(陰性または陽性の判定)が定められています。まず、BGLB培地での発酵管法が標準です。また、デソキシコレート寒天培地などを用いた平板法もあります。

ただし、乳酸菌飲料の場合、製品中の乳酸菌が試験を妨害するケースもあります。そのため、適切な希釈と中和操作が結果の信頼性を左右します。

なお、大腸菌群試験の詳細は大腸菌群 検査の方法・基準値・依頼先ガイドもご覧ください。さらに、輸出向け製品ではより厳格な要求があります。たとえば腸内細菌科菌群検査が要求される場合もあります。

乳酸菌数の測定法|乳等省令で定められた試験方法

BCP加プレートカウント寒天培地法の基本

まず、乳酸菌数の測定は乳等省令別表二「乳等の成分規格の試験法」に手順が規定されています。具体的には、基本となるのはBCP加プレートカウント寒天培地法です。

つまり、滅菌ペトリ皿に試料を注いで培養します。このように、標準的な平板法にあたります。なお、培養条件は35度から37度までの温度で72時間が原則です。

低温発酵製品で起きる測定の落とし穴

ただし、この条件は万能ではありません。たとえば、カスピ海ヨーグルトや北欧のビーリは低温発酵の伝統製品です。

具体的には、20〜30度で発酵する乳酸菌を使います。そのため、標準条件では適切に菌数が測定できない場合があります。

そこで、原料菌株の至適温度に応じた培養条件の調整が必要です。実際に、厚生労働省の検討会でも低温発酵製品向けの測定法見直しが議論されてきました。

つまり、製造者は使用菌株の特性を正確に把握すべきです。これにより、検査機関へ伝達することが信頼できる結果を得る前提です。

ビフィズス菌は乳酸菌に含まれない

なお、ビフィズス菌は乳等省令上「乳酸菌に含まれない」扱いです。具体的には、分類学的に乳酸だけでなく酢酸も生成します。さらに、酸素があると生きていけない偏性嫌気性菌です。

そのため、ビフィズス菌入り製品で乳酸菌数の規格を満たすには別の乳酸菌の配合が必要です。詳細はビフィズス菌の検査方法をご覧ください。

実務上の注意点:殺菌タイプ製品は乳酸菌数の規格が適用外です。ただし、ラベル表示で菌数を明記する場合は別途試験で実測値を確認します。なお、死菌体の定量にはviability PCRなど、生菌計数とは異なる手法が用いられます。

乳酸菌飲料の規格基準で押さえる4つの実務ポイント

つまり、規格基準への適合維持には4つの観点の整備が現実的です。具体的には、次の表で整理しました。

No. 観点 整備すべき内容
1 出荷前検査の項目固定化 乳酸菌数・大腸菌群陰性・無脂乳固形分の3項目を判定セット化
2 原料管理と工程衛生の連動 原料殺菌・発酵タンク衛生・容器包装管理の一体化
3 表示と分類の整合性 乳等省令の正式な種類別表記、発酵後殺菌時の適切な表示
4 外部検査機関との連携 対応範囲・納期・試験法の事前確認、菌株特性の事前共有

出荷前検査セットの定型化

まず、自社製品の分類を確定します。次に、判定セットを定型化します。さらに、検査ロットの抜き取り頻度は賞味期限に応じて文書化します。

原料・工程・包装の一体管理

そのため、大腸菌群陰性を維持するには3つを一体で見ます。具体的には、原料殺菌・発酵タンクの衛生・容器包装の管理です。加えて、製造工程ごとの拭き取り検査や落下菌検査も組み合わせます。

表示と分類の整合性確保

つまり、「発酵乳」「乳製品乳酸菌飲料」「乳酸菌飲料」は乳等省令の正式な種類別です。そのため、商品ラベルでも適切な表記が必要です。さらに、発酵後殺菌を行った場合は誤認を避ける表示も求められます。

外部検査機関の選定基準

一方、自社検査室を持たない場合、出荷ロットの抜き取り検査は外部委託です。そこで、検査機関の対応範囲・納期・試験法を事前確認しましょう。

特に、使用菌株に応じた培養条件の調整が必要なケースもあります。そのため、事前打ち合わせが結果の信頼性を左右します。

AHCで対応している試験項目

具体的には、乳酸菌・ビフィズス菌関連でAHCにご相談いただける試験項目を整理しました。

試験項目 対応可否 備考
乳酸菌数測定(規格基準向け) 対応 BCP加プレートカウント寒天培地法
大腸菌群試験 対応 BGLB法・平板法
ビフィズス菌の選択計数 対応 TOSムピロシン培地・BL寒天培地
菌種同定(16S rRNA解析) 対応 配列解析による種レベル同定
低温発酵製品の特殊培養条件 対応 使用菌株情報の事前共有が前提
保菌試験(賞味期限内の菌数推移) 対応 受託研究開発の枠組み
生菌・死菌の判別(viability PCR) 要相談 製品特性に応じてご提案
臨床試験・ヒト試験(機能性表示届出根拠等) 対応範囲外 他機関をご紹介可能な場合があります

こんな方からのご相談を承っています

具体的には、乳酸菌・ビフィズス菌の試験は以下のような方々からのご相談実績があります。

  • 機能性表示食品の届出を進めている食品メーカーの開発・QA担当者
  • 乳製品メーカーで乳酸菌入り新製品の規格適合確認をご検討の方
  • 食品OEM受託工場で乳業向け製造を始められる方
  • プロバイオティクス系健康食品の品質保証担当者
  • 海外輸出向け乳製品メーカーで英文成績書をご検討の方

ご相談から納品までの流れ

なお、初めてご利用の方にも分かりやすい流れでご案内しています。

  1. お問い合わせ:まず、フォームまたはお電話でご相談ください
  2. 試験設計のご提案:次に、製品特性・使用菌株・ご要件をお伺いします
  3. お見積もり:そのうえで、検査項目・サンプル数・納期をご提示します
  4. 検体送付:さらに、送付方法と必要量をご案内します
  5. 試験実施・結果報告:そして、成績書を発行いたします

AHCについて

AHCは1977年創業の食品微生物検査ラボです。具体的には、乳酸菌飲料・発酵乳製品の規格基準試験から、ビフィズス菌の選択計数、保菌試験まで、製品特性に応じた試験設計をご提案しています。

そのため、受託研究開発の枠組みでお受けしています。具体的な検査項目・サンプル数・納期は個別見積りにてご相談ください。

お問い合わせ:お問い合わせフォーム
お電話:027-253-1515(平日 8:30〜17:30)

まとめ|乳酸菌飲料の規格基準を実務に落とし込む

つまり、乳酸菌飲料の規格基準は種類別の数値基準と試験方法の理解から始まります。具体的には、発酵乳・乳製品乳酸菌飲料・乳酸菌飲料の3分類があります。さらに、生菌タイプと殺菌タイプの違いも押さえましょう。

特に、大腸菌群陰性の維持は製造工程全体の衛生管理に直結します。そのため、出荷前検査だけでなく、原料・設備・包装の各段階で衛生指標菌をモニタリングしましょう。

なお、規格基準の解釈や試験設計でご不明な点があれば、AHCまでお気軽にご相談ください。


外部参考資料
・厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」(e-Gov法令検索)
・一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会「法規で定められた規格

乳酸菌飲料の規格基準を種類別に整理。乳酸菌数・大腸菌群・無脂乳固形分の基準値と試験方法、検査機関選びのポイントをわかりやすく解説。

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