📋 こんなご相談をよくいただきます
- 仕入れた香辛料の一般生菌数が高い。返品すべきか判断できない。
- 使った製品のほうで膨張が起きた。原料を疑っている。
- 輸入品の受入基準を決めたい。何を測ればよいか分からない。
- 取引先からカビ毒の試験成績書を求められた。
香辛料 検査でつまずきやすいのが、数字の読み方です。乾燥した原料は菌が増えない状態にあります。それでも一般生菌数は高く出ます。
理由は芽胞です。乾燥にも加熱にも耐える形で、菌が休眠したまま残っています。したがって、生菌数が高いこと自体は異常ではありません。この記事では、原料としての見方と項目の選び方を解説します。
香辛料 検査で押さえる2つのリスク
乾燥品のリスクは、大きく2つに分かれます。細菌側とカビ毒側です。性格が違うので、分けて考えます。
| リスク | いつ問題になるか |
| 芽胞菌 | 水分のある食品に混ぜたあと |
| カビ毒 | 原料の産地や保管の段階 |
| サルモネラ | 加熱しない用途に使うとき |
| 吸湿 | 開封後の保管でカビが動き出す |
厄介なのは、香辛料そのものでは何も起きない点です。乾いているあいだは休眠したままだからです。問題が表面化するのは、水分のある食品に混ぜてからになります。
芽胞は加熱では消えない
芽胞は、菌が作る耐久型です。通常の加熱では生き残ります。スープやソーセージ、レトルト製品に混ぜたあと、条件がそろうと発芽して増えます。
とくにセレウス菌とウェルシュ菌が問題になります。加熱後の放冷が遅いと、そこで一気に増えるためです。詳しくはセレウス菌 検査で解説しました。
そのため、香辛料の受入基準は「生菌数がいくつ以下」だけでは足りません。どんな製品に使うかまで含めて決める必要があります。加熱後に長く放冷する製品なら、芽胞菌の数まで見ておくべきです。
カビ毒は原料の段階で決まる
もうひとつのリスクがカビ毒です。カビ自体は加熱や殺菌で死にますが、毒素は残ります。つまり、後工程では取り除けません。
日本では総アフラトキシンについて規制値が定められています。ナツメグなどの香辛料からも検出例があります。輸入品で見つかることが多い項目です。検査の詳細はアフラトキシンにまとめています。
| 段階 | できること |
| 仕入れ前 | 産地とロットを確認し、成績書を取る |
| 受入時 | 自社で抜き取り、数値を持っておく |
| 保管中 | 湿度を管理し、吸湿を防ぐ |
| 製造後 | 毒素は除けない。前段で防ぐしかない |
保管の湿度管理は軽視されがちです。しかし乾燥品は空気中の水分を吸います。水分活性が上がれば、休んでいたカビが動き出します。
受入基準の作り方
基準は、仕入先の実力と自社の用途から決めます。まず、同じ品目を複数ロット測ってください。次に、そのばらつきの幅を見ます。そして、上限を決めます。いきなり厳しい数字を置くと、供給が止まります。したがって、実測を土台にするのが現実的です。取引先が変わったときは、あらためて測り直してください。
殺菌方法の選び方
香辛料の菌数を下げたい場合、いくつか方法があります。ただし、どれも一長一短です。
| 方法 | 特徴 |
| 蒸気殺菌 | 広く使われる。香りや色が変わることがある |
| 加熱処理 | 簡便だが、芽胞までは落としきれない |
| 殺菌済み品の購入 | 確実。コストは上がる |
なお、放射線による殺菌は日本では認められていません。許可されているのは、ばれいしょの発芽防止に限られます。海外の資料を読むときは注意してください。
殺菌したら、効いたかどうかを確かめます。処理前後で測れば、効果が数字で見えます。なお、香りや辛味が変わっていないかも同時に見てください。菌数だけ下がっても、品質が落ちては意味がありません。
香辛料 検査のご依頼について
👥 こんな方からのご相談を承ります
- 香辛料・乾燥野菜を原料として使う食品メーカーの方
- 輸入商社で、受入基準を決めたい品質管理担当の方
- 製品側の膨張や変敗について、原料を疑っている方
- 殺菌処理の効果を数値で確かめたい方
AHCの対応範囲
| 内容 | 対応 |
| 一般生菌数・大腸菌群・E. coli | ✅ 承ります |
| 芽胞菌・耐熱性菌、セレウス菌 | ✅ 承ります |
| カビ・酵母、サルモネラ | ✅ 承ります |
| アフラトキシン | ✅ 承ります |
| 水分活性・水分 | ✅ 承ります |
当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りいたします。
5ステップで進む検査の流れ
🏢 株式会社AHCについて
1977年創業の食品微生物検査ラボとして、原料の受入検査を全国対応で承ります。関連記事:アフラトキシン / セレウス菌 検査 / 穀類・野菜・豆類の検査
まとめ
香辛料の生菌数は、高く出るのが普通です。したがって、数字だけを見て良し悪しを決められません。判断の軸は、その原料をどんな製品に使うかにあります。
そして、カビ毒は後から除けません。受入の段階で押さえるしかない項目です。製品側で膨張や変敗が続くなら、原料の芽胞菌まで測ってみてください。原因が見えてくることがあります。
原料の受入検査でお困りの際はお問い合わせフォームからご相談ください。お電話(027-253-1515)でも承ります。
外部参考資料
