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飼料 サルモネラ 検査|ガイドラインと記録2年保存の実務

📋 こんなご相談をよくいただきます

  • 飼料原料の受入検査で、サルモネラをどの頻度で見ればよいか決めかねている。
  • 製品からサルモネラが出た。原因究明のために工程のどこを検査すべきか知りたい。
  • 取引先から検査成績書の提出を求められた。外部の試験所に出したい。
  • 養鶏場に納める飼料なので、鶏卵への影響まで含めて相談したい。

飼料のサルモネラ検査は、家畜への感染を防ぐために行います。その先にある畜産物の汚染を止める検査でもあります。サルモネラそのものの基礎はサルモネラ検査の基本ガイドにまとめています。この記事では、飼料に固有の事情を扱います。法令上の位置づけと、製造現場で求められる検査の設計です。

飼料の場合、食品とは規制の建て付けが違います。成分規格に数値基準はありません。かわりに農林水産省の通知が、製造管理の遵守事項を示しています。問われるのは「基準値をクリアしたか」ではありません。「決めた頻度で検査し、記録を残しているか」です。

飼料のサルモネラが問題になる理由

サルモネラは自然環境下での抵抗性が強く、乾燥した状態でも長く生き残ります。飼料は水分が少なく、菌が増える環境ではありません。しかし増えないことと、いなくなることは別です。汚染された飼料は、菌を減らさないまま家畜の口に運ばれます。

問題は、そこから先に連鎖があることです。

段階 起きること 検査で押さえる点
原料 動物性原料や輸入原料が持ち込む。輸送中・受入時にも汚染しうる 入荷ロットの受入検査
製造工程 タンクや搬送経路の付着物・残留物に定着し、後続ロットを汚染し続ける 工程の重点箇所の拭き取り
製品 保管中にネズミ・鳥・結露が汚染源になる 出荷前の製品検査
家畜 摂取した家畜が保菌する。発症しないまま排菌する個体もある 農場側のモニタリング
畜産物 鶏卵や食肉が汚染され、ヒトの食中毒につながる 最終製品の規格対応

鶏の場合、この連鎖は鶏卵のサルモネラ汚染に直結します。食肉であれば食肉製品のサルモネラの話になります。飼料の検査は、その一番上流を押さえる工程です。

法令上の位置づけ

飼料の安全性は飼料安全法が定めています。正式には「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」です。ただしサルモネラに数値基準はありません。かわりに農林水産省の通知が、製造管理の遵守事項を示しています。「飼料製造に係るサルモネラ対策のガイドライン」です。

項目 内容
名称 飼料製造に係るサルモネラ対策のガイドライン
制定 平成10年6月30日(直近改正 令和5年12月1日)
対象 配合飼料工場
目的 飼料のサルモネラ汚染を防ぐための製造管理対策の基本的な遵守事項を示すこと
責任者 飼料安全法に規定する飼料製造管理者

数値基準がないことは、検査が不要という意味ではありません。むしろ逆で、ガイドラインは検査の実施と記録の保存を具体的に求めています。基準値との照合ではなく、管理の仕組みそのものが問われる形です。

ガイドラインが求める検査

ガイドラインは、検査の対象を3つに分けています。原料、製品、そして製造工程です。

対象 求められること
原料 搬入された原料を定期的に検査する。頻度は種類・購入先などを勘案して決める。原料製造業者に検査成績書の提出を求めることもある
製品 原料の検査に準じて定期的に検査し、結果を飼料製造管理者に通知する
製造工程 汚染防止対策を重点的に行う箇所を決め、対策の効果を判定するために定期的に検査する

頻度は自分で決める

ガイドラインは「何か月に1回」といった数字を示していません。原料の種類や購入先を勘案して各工場が決める形です。この点が担当者を悩ませます。

決め方の考え方としては、次のような整理になります。動物性原料や輸入原料など、過去に検出歴のある系統は頻度を上げます。同一の購入先から安定して陰性が続いている原料は、頻度を下げる根拠になります。いずれにせよ、なぜその頻度にしたのかを説明できることが重要です。

記録は2年間保存する

ガイドラインは、検査記録として残す項目まで指定しています。

  • 原料搬入年月日
  • 製造業者または輸入業者
  • 購入先
  • 原料名
  • 採材年月日
  • 分析者
  • 検査結果
  • 実施した処置の内容

これらを2年間保存します。製造記録にも同じ要求があります。サルモネラが検出されたとき、原因を追えるようにするためです。製造日別に、銘柄ごとの製造順位・数量・使用原料などを整備します。こちらも2年間の保管が求められます。

外部の試験所に検査を委託する場合、試験成績書がこの記録の一部になります。採材年月日や試料名が正確に記載されているかを、受け取り時に確認してください。

陽性が出たときの処置

ガイドラインは、陽性が出た場合の対応も定めています。検査は結果を出して終わりではなく、その後の手当てまでが管理の一部です。

陽性となった対象 求められる処置
原料 製造業者・輸入業者へ速やかに結果を通知し、原因究明と改善措置を求める。あわせて保管場所を清掃し、搬送された工程の付着物・残留物を除去して消毒する
製品 再発防止のための原因究明を行い、製造工程の付着物・残留物を除去して消毒する
製造工程の一部 当該箇所の付着物・残留物を除去し、消毒する

工程の一部で陽性が出たとき、どこまで広げて調べるかは判断が要ります。前提になるのは製造記録です。同じ経路を通ったロットを特定できる状態にしておきます。

検査方法の選び方

ガイドラインは検査方法をこう定めています。原則は飼料分析基準です。ただし市販の簡易検査キット等でもよいとしています。両方に道が開かれている点が、飼料検査の特徴です。

方法 位置づけ 向く場面
飼料分析基準 農林水産省が定める公定法。第18章に病原微生物としてサルモネラが規定されている 取引先に提出する成績書、行政対応、陽性時の確認
食品衛生検査指針 食品分野で広く使われる方法。食品と飼料を同じ枠組みで管理したい場合に選ばれる 食品工場と飼料工場を併設している場合
ISO法 国際規格。輸出向けや、海外の親会社・取引先から指定される場合に用いる 輸出、海外取引先への対応
簡易検査キット ガイドライン上も使用が認められている。判定が早い 自社での日常的なスクリーニング

実務上は組み合わせて使う例が多くなります。日常のスクリーニングは自社の簡易法で回します。取引先へ出す成績書や、陽性時の確認は外部の試験所に出します。どの方法で実施したかは成績書に明記されます。提出先の要求に合っているかは、事前にすり合わせておくと確実です。

依頼のポイントと実務

確認すること 理由
試験法の指定はあるか 飼料分析基準・食品衛生検査指針・ISO法で手順が異なる。提出先の要求に合わせる必要がある
試料の量 増菌に必要な量を確保する。ロットを代表する採り方も結果を左右する
拭き取りか、飼料そのものか 工程検査は拭き取りになる。採取器材と輸送方法が変わる
血清型まで必要か 原因究明では血清型の情報が手がかりになる。検出の有無だけでよいかを事前に決める
記録に必要な項目 採材年月日・原料名などが成績書に残るかを確認する。2年間の保存記録の一部になる

AHCの対応範囲

項目 対応
サルモネラ属菌の検査 ✅ 承ります。鶏用飼料での実績が多数あります
試験法 ✅ 飼料分析基準・食品衛生検査指針のいずれにも対応します。ISOの試験法をご指定いただくことも可能です
工程の拭き取り検査 ✅ 承ります。採取方法からご相談ください
養魚飼料 ✅ 実績があります
費用 項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りします

当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。

👥 こんな方からのご相談を承ります

  • 配合飼料工場で、原料の受入検査の頻度を設計したい方
  • 製品や工程からサルモネラが出て、原因究明の検査を組みたい方
  • 取引先から検査成績書の提出を求められている方
  • 養鶏場に納める飼料を扱っており、鶏卵への影響まで含めて相談したい方

5ステップで進む検査の流れ

STEP 1
お問い合わせ・ヒアリング(試験法の指定の有無を確認)
STEP 2
検査項目のご提案とお見積り
STEP 3
検体の送付(採取方法もご相談ください)
STEP 4
検査の実施(増菌から確認まで)
STEP 5
試験成績書の発行

ペットフードとの違い

同じサルモネラでも、ペットフードは規制の建て付けが異なります。根拠法はペットフード安全法です。家畜用飼料を対象とする飼料安全法とは、別の法律になります。

こちらもサルモネラの数値基準はありません。省令が定める製造の方法の基準を守ることが求められます。実際に検出された事例があり、農林水産省は製造工程の点検を呼びかけています。

家畜用飼料のような検査ガイドラインは整備されていません。どこをどう検査するかは、事業者の判断に委ねられます。

まとめ

飼料のサルモネラ検査は、基準値との照合ではありません。決めた頻度で検査を回し、記録を2年間残す仕組みです。対象は原料・製品・製造工程の3つ。陽性時の処置までがひと続きになっています。試験法は飼料分析基準が原則です。簡易法との組み合わせも認められています。

サルモネラ全般はサルモネラ検査の基本ガイドにまとめています。畜産物側の話は鶏卵のサルモネラと食肉製品のサルモネラをご覧ください。

検査のご相談はお問い合わせフォームから承ります。お電話(027-253-1515)でも受け付けています。

🏢 株式会社AHCについて

1977年創業の食品微生物検査ラボとして、飼料・食品の微生物検査を全国対応で承ります。関連記事:サルモネラ検査の基本ガイド / 鶏卵 サルモネラ / ペットフード 分析

外部参考資料

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