📋 こんなご相談をよくいただきます
- 今年の衛生教育で使える、新しいデータがほしい。
- 何が原因の食中毒が多いのか、数字で知りたい。
- 季節ごとに、何に気をつければよいか知りたい。
食中毒の統計は、衛生管理の優先順位を決める手がかりになります。
令和7年の食中毒統計が、厚生労働省から公表されています。
そこで本記事では、主な数字をグラフで整理します。
令和7年の全体像
まず、事件数は1,172件、患者数は24,727人でした。
次に、ここ9年の患者数の推移を見ます。
患者数の推移(人)
出典:厚生労働省「令和7年 食中毒統計」をもとに作成
患者数は、令和5年の11,803人から2年で約2倍になりました。
一方、事件数は9年間、931件から1,369件の間で推移しています。
つまり、事件の数より、1件あたりの規模が年によって大きく変わります。
原因物質で見る
次に、何が原因だったかを事件数で比べます。
原因物質別の事件数(件)
出典:厚生労働省「令和7年 食中毒統計」をもとに作成
事件数では、ノロウイルスが462件で最も多くなりました。
次いで、アニサキスが280件、カンピロバクターが220件です。
このように、上位3つで全体の約8割を占めています。
原因物質別の患者数(人)
出典:厚生労働省「令和7年 食中毒統計」をもとに作成
一方、患者数で見ると、ノロウイルスが18,566人と突出しています。
これは、全患者の75.1%に当たります。
また、ウエルシュ菌は33件で1,260人と、1件あたりの患者が多くなりました。
なお、アニサキスは280件で283人と、ほぼ1件1人の事例です。
| 原因 | 事件数 | 患者数 | 1件あたり |
| ノロウイルス | 462件 | 18,566人 | 約40人 |
| ウエルシュ菌 | 33件 | 1,260人 | 約38人 |
| カンピロバクター | 220件 | 1,226人 | 約6人 |
| アニサキス | 280件 | 283人 | 約1人 |
したがって、件数と規模の両方を見ると、対策の重みが見えてきます。
月別で見る
月別の事件数(件)
出典:厚生労働省「令和7年 食中毒統計」をもとに作成
事件数は、2月と3月が184件で最も多くなりました。
さらに、2月の患者数は8,054人で、年間の約3分の1を占めます。
この冬の山は、ノロウイルスの流行期と重なります。
ただし、7月から9月も、毎月70件前後の事件が起きています。
つまり、食中毒は冬だけの問題ではありません。
原因施設で見る
原因施設別の事件数(件)
出典:厚生労働省「令和7年 食中毒統計」をもとに作成(原因施設が判明した985件の内訳)
原因施設が分かった985件のうち、約3分の2は飲食店でした。
一方、仕出屋は44件で6,146人と、1件あたり約140人に上ります。
なぜなら、一度に多くの食事を作り、多くの人が食べるからです。
数字から考える対策
では、この数字を現場の対策にどうつなげればよいでしょうか。
| 数字から見えること | 考えたい対策 |
| ノロウイルスが事件・患者とも最多 | 従事者の健康確認と、ノロウイルスの検便 |
| 冬に事件と患者が集中 | 秋のうちに、手洗いと消毒の手順を見直す |
| カンピロバクターが220件 | 鶏肉の加熱と、生肉からの二次汚染の防止 |
| 仕出屋・旅館は1件の規模が大きい | 大量調理の温度管理と、検食の保存 |
たとえば、秋のうちにノロウイルスの検便を組み込むと、冬に備えられます。
また、器具のふきとり検査で、洗浄の手順が守られているかを確かめられます。
👥 こんな方からのご相談を承ります
- 飲食店・旅館・仕出屋の衛生管理ご担当者
- 社内の衛生教育で、最新のデータを使いたい方
- 給食施設・食品工場で、年間の検査計画を立てる方
🏢 株式会社AHCについて
1977年創業の食品微生物検査ラボです。当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りします。関連記事:ノロウイルス食品検査 / 検便 検査 日数 / カンピロバクター 食中毒 / 拭き取り検査とは
まとめ
令和7年は、患者数が24,727人と前年から大きく増えました。
そして、原因ではノロウイルスが、事件数・患者数とも最多でした。
まずは、冬に向けて検便と手洗いの手順を見直してみてください。
お問い合わせフォーム、またはお電話(027-253-1515)で承ります。
外部参考資料
