027-253-1515

営業時間 8:30~17:30 土日祝日休

お問合せ

有機酸分析|クエン酸・乳酸・リンゴ酸をHPLCで定量

📋 こんなご相談をよくいただきます

  • 酸味の設計をしたいが、どの酸が効いているか分からない。
  • 発酵の進み具合を数値で管理したい。
  • ロットによって味がぶれる。原因を探りたい。
  • 「酸価」を測ればよいと言われたが、違う気がする。
  • 原料の産地や品種で成分がどう違うか比べたい。

有機酸分析は、食品に含まれる酸を種類ごとに測る分析です。クエン酸、乳酸、リンゴ酸などを個別に定量します。酸味の設計や発酵管理に使われます。ただし、名前の似た「酸価」とは別の検査です。ここを取り違えると、目的と違うデータが出てきます。本記事では、両者の違いから測定方法まで解説します。

有機酸とは何か

有機酸は、酸味のもとになる成分です。食品には複数の有機酸が同時に含まれます。そして、その組み合わせが味わいを決めます。

代表的なものを整理しました。

有機酸 主に含まれる食品 味の特徴
クエン酸 柑橘、梅、清涼飲料 さわやかで切れがよい
乳酸 漬物、乳製品、発酵食品 まろやかで持続する
リンゴ酸 りんご、ぶどう、野菜 やわらかく残る
酢酸 食酢、発酵調味料 刺激的で香りを伴う
酒石酸 ぶどう、ワイン 硬さのある酸味
コハク酸 貝類、日本酒 うま味を伴う独特の味

同じ酸味でも、種類によって感じ方が違います。たとえばクエン酸は立ち上がりが早く、すっと消えます。一方、乳酸は穏やかに続きます。したがって、同じ酸度でも印象が変わります。

酸価とはまったく別の検査です

ここが最も間違えやすい点です。名前が似ているため、混同されます。

比較 有機酸分析 酸価(AV)
測る対象 クエン酸などの個々の酸 油脂から遊離した脂肪酸
目的 酸味の設計、発酵の管理 油脂の劣化の判定
結果の形 成分ごとの含有量 1つの指標値
主な検体 飲料、漬物、果実、調味料 揚げ油、菓子、油脂製品

つまり、目的がまったく違います。酸味を設計したいなら有機酸分析です。油の劣化を見たいなら酸価です。油脂の劣化については酸価とはで解説しています。

なお「酸度」という言い方もあります。これは酸の総量を中和滴定で求めた値です。個々の酸は分かりません。

何が分かるのか

用途は大きく3つあります。

酸味の設計

酸の種類を変えると、同じ酸度でも味の印象が変わります。そこで、目標とする商品の有機酸組成を測ります。すると、どの酸をどれだけ足せばよいかが見えてきます。競合品の分析にも使われます。

発酵と熟成の管理

発酵が進むと、有機酸の組成が変化します。乳酸発酵なら乳酸が増えます。したがって、数値を追えば発酵の進行度が分かります。pHだけでは、どの酸が増えたのかは判別できません。 ここが有機酸分析の強みです。

同じ理由で、意図しない発酵の検出にも使えます。酢酸が想定外に増えていれば、酢酸菌の混入を疑えます。

原料の評価

果実は、品種や産地、熟度によって有機酸組成が変わります。そのため、原料の選定や仕入れ判断の材料になります。加工後の変化を追うこともできます。

⚠️ 添加した酸と、もともとある酸は区別できません

分析で分かるのは、クエン酸が何mg含まれるかという事実だけです。それが原料由来か添加物由来かまでは判別できません。したがって、無添加であることを示す目的には使えません。原材料の記録とあわせて評価してください。

測定方法

HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分離し、成分ごとに定量します。手順の概略は次のとおりです。

STEP 1
検体を秤量・均一化
STEP 2
水などで抽出
STEP 3
ろ過・除タンパクの前処理
STEP 4
HPLCで分離・検出
STEP 5
標準品と比較して定量

前処理が結果を左右します。とくに、たんぱく質や色素が多い検体では除去が必要です。残っているとカラムを傷めますし、ピークも乱れます。

糖やアミノ酸の分析とは、使うカラムも検出条件も異なります。そのため、同じHPLCでも別の分析として扱います。

検体による注意点

検体 注意点
清涼飲料・果汁 比較的簡便。希釈とろ過が中心
漬物・発酵食品 部位で差が出る。固液を分けるか要相談
乳製品 たんぱく質の除去が必要
果実・野菜 個体差が大きい。複数個をまとめて均一化
調味料・ソース類 粘度が高いと前処理に手間がかかる

発酵食品では、採取する場所で数値が変わります。漬物なら液と固形部で違いますし、樽の上下でも差が出ます。したがって、どこを測るかを決めておいてください。

あわせて測ることが多い成分

有機酸だけでは、味の全体像はつかめません。そこで、他の成分と組み合わせます。

甘味と酸味の比は、味の設計で重視される指標です。同じ抽出液から測れる場合もあるため、まとめてのご依頼が効率的です。

有機酸分析の依頼と実務

依頼前に決めておくと、設計が早く進みます。

確認事項 なぜ必要か
測りたい有機酸 項目数で費用と期間が変わるため
検体の形態 前処理の方法が変わるため
どこを測るか 固形部と液部で数値が違うため
結果の単位 100gあたりか100mLあたりかを決めるため
比較対象の有無 競合品や前ロットと並べると解釈しやすいため

測りたい酸が決まっていない場合もご相談ください。製品の種類から、想定される酸をご提案できます。

AHCの対応範囲

項目 対応
有機酸分析(HPLC) ✅ 承ります
糖類・核酸系うま味成分 ✅ 承ります
酸価・過酸化物価 ✅ 承ります
一般成分・栄養成分 ✅ 承ります
微生物検査 ✅ ISO/IEC 17025認定範囲の3項目に対応

費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りいたします。

🏢 株式会社AHCについて

1977年創業の食品微生物検査ラボとして、微生物検査と成分分析を全国対応で承っています。群馬県前橋市に試験室を構えています。関連記事:核酸系うま味分析 / 果汁の糖分析

まとめ

有機酸分析は、酸を種類ごとに測る分析です。クエン酸、乳酸、リンゴ酸などを個別に定量します。したがって、酸味の設計や発酵の管理に使えます。

似た名前の酸価とは別物です。あちらは油脂の劣化を見る検査で、目的も検体も違います。依頼の前に確認してください。

pHや酸度では、どの酸が増えたのかまでは分かりません。組成が見えることが、この分析の価値です。

当社では有機酸分析を承っています。ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。お電話(027-253-1515)でも承ります。

 

有機酸分析(レモン・りんご・漬物とHPLC用バイアル)

このページの先頭へ戻る

お電話でのお問合せ

027-253-1515 営業時間 8:30~17:30 土日祝日休