EGCG 分析は、4種カテキン(EGCG、ECG、EGC、EC)の中でも機能性研究で最も注目される成分の精密定量です。茶系製品の機能性訴求や研究開発では、総カテキン量だけでなく成分組成の比率を把握することが品質設計の鍵となります。本記事では、EGCG 分析を中心としたカテキン4種の鑑別法を解説します。
本記事はカテキン分析の関連記事です。基礎情報から確認したい方は、先に姉妹記事をお読みください。
カテキン4種の構造と機能性の違い
カテキンはフラバン-3-オール骨格を共有しつつ、置換基の違いで4種に分かれます。基本構造はカテキン(C)とエピカテキン(EC)で、両者は立体異性体の関係です。これらに没食子酸基(ガレート基)が付いたものがガレート型カテキンと呼ばれます。
具体的な4種は次のとおりです。
| 型 | 成分名(略称) | 含有割合(総カテキン中) |
|---|---|---|
| ガレート型 | EGCG(エピガロカテキンガレート) | 50〜60% |
| ECG(エピカテキンガレート) | 10〜15%程度 | |
| 非ガレート型 | EGC(エピガロカテキン) | 残りの成分 |
| EC(エピカテキン) |
緑茶の組成詳細は緑茶 カテキンの記事で扱っています。
機能性研究では、EGCGが最も活発に研究されています。たとえば、抗酸化作用、体脂肪低減、抗炎症作用、認知機能維持などの報告があります。
ECGはコレステロール低下作用で注目され、EGCとECは抗酸化や血圧調整作用などで研究が進行中です。
4種を分離するHPLC条件
カテキン4種を分離するには、HPLCの逆相カラムを使用します。一般的にはODSカラムを用い、リン酸緩衝液とアセトニトリルのグラジエント溶出で4種を順次溶出させます。
検出は紫外線検出器(UV)で波長280nm付近、または光ダイオードアレイ検出器(PDA)で多波長同時測定が標準です。PDAを使うと、各ピークの吸収スペクトル確認による定性確認も同時にできます。
分離の精度には、カラムの選択と温度管理が、再現性のある定量に不可欠です。AOAC公定法やISO 14502などの公定法も、カテキン4種の定量手順を規定しています。
試料前処理の重要性
EGCG・ECG・EGC・ECは、試料中の共存成分やpH、温度の影響で容易に変化します。そのため、前処理の標準化が定量精度を決定します。
抽出では、有機溶媒含有水を使うのが一般的です。さらに、低温抽出と窒素雰囲気での処理を組み合わせることで、酸化分解を最小化できます。
加えて、フィルター透過時のロスにも注意が必要です。
茶飲料以外の試料(サプリ、食品加工品など)では、油脂や糖類の除去が追加で必要になるケースもあります。詳しくは事前のご相談で対応設計を決めましょう。
EGCG単独訴求と4種合計の使い分け
製品の機能性訴求では、関与成分の選び方が重要です。EGCG単独で訴求するか、ガレート型(EGCG+ECG)合計、または4種合計(総カテキン)のどれを採用するかで、必要な研究データと訴求文言が変わります。
EGCG単独訴求は、認知機能や抗酸化など特定機能性の研究データが豊富な場合に有効です。
一方、ガレート型合計は体脂肪低減やコレステロール低下訴求で実績があります。総カテキン訴求は最も汎用的で、広範な機能性訴求が可能です。
届出時の選択肢の詳細はカテキン機能性表示食品の届出ガイドで扱っています。
研究開発・品質管理では、4種すべての個別定量データを蓄積するのが安全です。製品設計の方向性が変わった場合でも、既存データから関与成分の組み替えが可能になります。
AHCのカテキン4種定量サービス
株式会社AHCは、HPLC法によるカテキン4種(EGCG、ECG、EGC、EC)の個別定量を実施しています。
総カテキン量、ガレート型合計、EGCG単独値などを一度の分析で同時算出できる体制です。
実際のご依頼パターンは、研究開発段階の試作品分析、原料茶葉のスクリーニング、機能性表示食品の届出向け関与成分定量、品質管理における工程内サンプル分析、共同研究での試験などです。48年の分析経験を活かし、用途に応じた最適な検査計画をご提案します。
ご依頼は、お電話(027-253-1515)またはお問い合わせフォームで承ります。具体的な料金や納期は、検体性状と検査項目によって変わるため、個別見積りでご案内します。
関連記事
- – カテキン 分析|HPLCで4種を個別定量(親ピラー) — 基礎と分析法
- – 緑茶 カテキン|飲料品質と含有量管理 — 茶飲料の品質保証
- – カテキン 機能性表示食品|届出と訴求設計 — 届出活用
- – ポリフェノール 分析|フォリン法による総量定量 — 総量分析との対比
- – 受託検査一覧 — サービスメニュー
参考:国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
![]()
![]()