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チャレンジテスト 食品|接種試験で期限の根拠をつくる

📋 こんなご相談をよくいただきます

  • 賞味期限をもう少し延ばしたいが、根拠をどう示せばよいか分からない。
  • 保存試験では菌が出なかった。それで安全と言い切ってよいのか不安がある。
  • 取引先から「リステリアが増えないことを示す資料」を求められた。
  • レシピを変更したので、期限を据え置いてよいか確認したい。

チャレンジテスト 食品分野では、製品に菌をあえて接種する試験を指します。接種試験とも呼ばれます。保存試験が見るのは、自然に汚染された状態です。一方チャレンジテストは、最悪のケースを意図的につくります。

そのため、期限設定の根拠として一段強い資料になります。この記事では、保存試験との違いを整理します。あわせて増殖ポテンシャルの読み方と、試験設計の決めどころを解説します。

チャレンジテスト 食品で行う接種試験の考え方

通常の保存試験には、ひとつの弱点があります。製品にたまたま菌がいなければ、菌は検出されません。つまり「菌がいなかった」ことは分かります。しかし「入っても増えない」ことは分かりません。

チャレンジテストは、この空白を埋める試験です。まず対象菌を一定量だけ製品に接種します。次に、想定する流通温度で保存します。そして経時的に菌数を測ります。増えたか、減ったか、横ばいかを判定します。

国際的な手順は ISO 20976-1 に整理されています。増殖能・ラグタイム・最大増殖速度を調べる規格です。なお、菌を殺す側の試験は Part 2 で扱われます。

保存試験との違いと使い分け

両者は目的が異なります。したがって、優劣の関係ではありません。実務ではまず保存試験を行います。そして判断がつかないときに、チャレンジテストへ進みます。

観点 保存試験 チャレンジテスト
見ているもの 実際の製品の品質推移 菌が入った場合の増え方
菌の由来 自然汚染に依存する 試験室で接種する
結果の解釈 期間中の変化を追う 増殖の可否を判定する
向く場面 初回の期限設定 期限延長やレシピ変更
費用と期間 比較的軽い 設計と検体数が増える

期限そのものの決め方は賞味期限の設定方法で解説しています。あわせてご覧ください。

期限延長を検討するときに効いてくる

期限表示のガイドラインは2025年3月に改正されました。従来は安全係数0.8以上という目安がありました。改正後は、この目安が削除されています。かわりに、係数を1に近づけることが望ましいとされました。

つまり、根拠を示せる事業者ほど期限を長くできる方向に変わりました。チャレンジテストは、その根拠を用意する手段です。詳しくは消費者庁の食品期限表示の設定のためのガイドラインをご確認ください。

増殖ポテンシャルの読み方と判定

判定にはシンプルな指標を使います。試験期間中の最大菌数の対数から、接種直後の菌数の対数を引いた差です。これを増殖ポテンシャルと呼びます。

実務では0.5 log CFU/g以下を「増殖しない」と扱います。この運用が広く使われています。ただし ISO 20976-1 自体は判定基準を定めていません。したがって、開始前に基準を決めておく必要があります。

結果 解釈 次の一手
増殖ポテンシャルが小さい 製品側に増殖を抑える要因がある 期限の根拠資料として整理する
期間の後半で増える 設定期限が長すぎる可能性がある 期限の短縮か処方の見直し
早い段階から増える 温度管理だけに依存している pHや水分活性のハードルを追加
菌数が減っていく 静菌ではなく死滅が起きている 要因を特定し工程で担保する

増殖を抑える要因のうち、水分活性は特に効きます。基準値の考え方は水分活性のガイドにまとめました。

リステリアの場合の考え方

対象菌としてリステリアが選ばれる場面は多くあります。この菌は冷蔵下でも増えるためです。非加熱食肉製品やナチュラルチーズには、規格基準があります。具体的には100 cfu/g以下です。

厚生労働省の通知にも、考え方が示されています。増殖しうる食品でも、消費期限内は100 cfu/g以下に担保するという内容です。この担保にチャレンジテストが使われます。関連する実務は非加熱食肉製品のリステリア対応で解説しています。

試験設計で決めること

チャレンジテストは、依頼前に決めることが多い試験です。ここが曖昧だと、結果が出ても使えない資料になります。まず次の項目を整理してください。

項目 決めかたの目安
対象菌 製品で問題になる菌を選ぶ。冷蔵品ならリステリア、加熱後放冷ならウェルシュ菌が候補になる
接種量 低すぎると検出限界に埋もれる。高すぎると実際の汚染とかけ離れる
保存温度 表示温度だけでなく、家庭や店頭での逸脱も想定して設定する
測定点 開始時と終了時に加え、途中に数点を置いて推移を見る
判定基準 増殖ポテンシャルのしきい値を、試験の開始前に決めておく
検体数 ロット差を見るため、複数ロットから採ることが望ましい

包装形態も結果を左右します。酸素の有無で、有利になる菌が変わるためです。この点は真空パックの検査で扱っています。

チャレンジテスト 食品の依頼ポイントと実務

👥 こんな方からのご相談を承ります

  • 惣菜・弁当・チルド食品の期限を延ばしたい製造者の方
  • 取引先やバイヤーから科学的根拠を求められている品質管理担当の方
  • 保存料や酸味料の配合を変え、影響を確認したい開発担当の方
  • 新しい包装形態を導入する前に、リスクを見ておきたい方

AHCの対応範囲

内容 対応
菌を接種する試験(チャレンジテスト) ✅ 承ります
保存試験・微生物試験による期限設定 ✅ 承ります
試験設計のご相談(菌種・温度・測定点) ✅ 事前に打ち合わせます
対象菌の選定 ⚠️ 製品と菌種により可否が変わります
毒素そのものの定量 ⚠️ 項目により対応範囲外です

当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りいたします。

5ステップで進む検査の流れ

STEP 1
お問い合わせ・ヒアリング
STEP 2
試験設計のご提案とお見積り
STEP 3
検体の送付・受入
STEP 4
接種と保存、経時的な測定
STEP 5
報告書の発行とご説明

🏢 株式会社AHCについて

1977年創業の食品微生物検査ラボとして、期限設定に関わる試験を全国対応で承ります。関連記事:賞味期限の設定方法 / 賞味期限の検査 / 非加熱食肉製品のリステリア

まとめ

チャレンジテストは、菌が入っても増えないことを示す試験です。保存試験が現状の確認であるのに対し、条件を与えて確かめます。したがって、期限の延長やレシピ変更の場面で力を発揮します。

判定の軸は増殖ポテンシャルです。そして、その基準は試験の前に決めます。設計から一緒に組み立てられるかで、資料の使い勝手は変わります。

期限設定でお困りの際はお問い合わせフォームからご相談ください。お電話(027-253-1515)でも承ります。

外部参考資料

チャレンジテスト 食品の接種試験を行う微生物検査室のイメージ

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