📋 こんなご相談をよくいただきます
- ウコン原料のクルクミン量が、規格書どおりか確かめたい。
- 産地や品種によってどれだけ差が出るのかを比較したい。
- 吸収性を高めた製剤で、配合量が保たれているかを見たい。
- 機能性表示食品の関与成分として、含有量の根拠が要る。
クルクミン分析は、ウコン(ターメリック)に含まれる黄色色素をHPLCで定量する分析です。ポリフェノール分析の一分野にあたります。
この成分の実務でつまずきやすいのは、「クルクミン」という語が二通りの意味で使われる点です。単一成分を指す場合と、よく似た3成分をまとめた総称として使う場合があり、規格書と分析報告で前提が食い違うことがあります。この記事では、その区別と測り方、依頼時に押さえる点を整理します。
クルクミン分析が必要になる場面
| 場面 | 目的 | 必要になるデータ |
| 原料の受入検査 | ウコン末・抽出物の規格適否 | 規格値との比較、ロット間のばらつき |
| 機能性表示食品の届出 | 関与成分の含有量を裏づける | 1日摂取目安量あたりの含有量 |
| 産地・品種の比較 | 秋ウコンと春ウコンなどの差を示す | 同一手法での横並びデータ |
| 製剤設計の検証 | 吸収性を高めた製剤の配合量確認 | 製品での実測値 |
| 賞味期限内の安定性 | 保存中に減らないかを見る | 保存期間ごとの経時データ |
クルクミノイドという三兄弟
ウコンの黄色い色素は、よく似た構造の3成分からなります。これらをまとめてクルクミノイドと呼びます。
| 成分 | 位置づけ |
| クルクミン | 3成分のうち最も多い。狭義の「クルクミン」はこれを指す |
| デメトキシクルクミン | クルクミンに次いで多い |
| ビスデメトキシクルクミン | 3成分のうち最も少ないことが多い |
規格書の「クルクミン95%」が、単一成分なのか3成分の合計なのかで、実際の量は変わります。依頼の前に、原料規格の表記がどちらを指しているかを確認してください。3成分の比率は原料によって異なるため、合計値だけでは内訳が分かりません。
分析上おさえておきたい性質
- 光に弱い成分です。紫外線で分解が進むため、抽出液は遮光容器で扱い、測定まで速やかに進めます。
- アルカリ性で不安定になります。pHが上がると分解が加速するため、抽出条件の設定が要ります。
- 水にほとんど溶けません。抽出にはアルコール系の溶媒を使います。この溶けにくさが、吸収性を高めた製剤が開発されている理由でもあります。
- 強い黄色を持ちます。可視領域に吸収があるため検出しやすい一方、色の濃さだけで含有量を判断すると誤ります。共存する色素の影響を受けるためです。
製剤と原料の違い
クルクミンは吸収されにくい成分として知られ、それを補うための加工が施された原料が流通しています。分析の際は、どの形の原料かによって前処理が変わります。
| 原料の形 | 特徴 | 分析上の注意 |
| ウコン末(原末) | 根茎を乾燥・粉砕したもの | デンプンなど夾雑が多く、抽出条件が効く |
| ウコン抽出物 | クルクミノイドを濃縮したもの | 規格表記が単一成分か合計かを確認する |
| 乳化・微粒子化製剤 | 溶解性・吸収性を高めた加工品 | 製剤の膜や担体から確実に抽出する必要がある |
| 飲料・食品への配合品 | 最終製品 | 共存成分の影響を受けやすい |
乳化製剤や微粒子化した原料では、通常の抽出条件では十分に取り出せず、実際より低い値が出ることがあります。剤形が特殊な場合は、依頼時にその旨をお伝えください。抽出条件を検討したうえで進めます。
表示に使う前に確認すること
- 栄養成分表示の義務項目には含まれません。任意表示の成分にあたります(栄養成分表示のガイド)。
- 単一成分か3成分合計かを報告書に明記します。届出資料や規格書と表記を揃えてください。
- 着色料としての使用と機能性成分としての訴求では、求められる資料が異なります。前者は食品添加物としての規格が関わります。
- 制度の詳細は消費者庁の公表資料が一次情報です。
依頼のポイントと実務
| ポイント | 確認したいこと |
| 報告の形式 | クルクミン単独か、クルクミノイド3成分の合計か |
| 剤形 | 原末、抽出物、乳化製剤、配合食品のいずれか |
| 規格書の有無 | あれば表記の前提を照合できます |
| 検体の保管 | 遮光。光に当たる状態で長期保管しないでください |
| 比較の設計 | 産地や品種を比べるなら、まとめて送付 |
👥 こんな方からのご相談を承ります
- ウコン原料を扱う原料商社、輸入業者の方
- 健康食品・サプリメントの受託製造、企画開発をされている方
- ウコン配合飲料を製造されている方
- 香辛料・スパイスを扱うメーカーの方
- 機能性表示食品の届出資料を準備されている方
5ステップで進む分析の流れ
AHCの対応範囲
当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。
クルクミンは、単一成分としての定量と、クルクミノイド3成分それぞれの定量を使い分けます。規格書をお持ちの場合はあわせてお送りいただくと、表記の前提を揃えて報告できます。費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りいたします。
なお、乳化製剤や微粒子化された原料では、膜や担体から成分を取り出す工程が結果を左右します。剤形によっては抽出効率が下がることがありますので、特殊な製剤については事前にご相談ください。
🏢 株式会社AHCについて
1977年創業の食品検査ラボとして、微生物検査と成分分析を全国対応で承っています。関連記事: ポリフェノール分析 / ポリフェノールと健康食品 / ケルセチン分析 / 成分分析サービス
まとめ
クルクミンの分析では、二つの確認が要点になります。ひとつは「単一成分か、3成分の合計か」。もうひとつは「どんな剤形か」です。前者は数字の意味を決め、後者は数字が正しく出るかどうかを決めます。
とくに吸収性を高めた製剤では、通常の抽出では成分を取り切れず、実際より低い値が出ることがあります。剤形の情報を先にいただければ、条件を検討したうえで進められます。
規格書の表記でお悩みの場合も含め、お問い合わせフォームまたはお電話(027-253-1515/平日8:30〜17:30)でご相談ください。
外部参考資料
