異物分析のご相談では、分析項目について予断がないことが重要
製品や食品などの中に混入した異物を特定するための分析です。異物の種類は様々で、金属片、プラスチック片、繊維、髪の毛、昆虫など、あらゆるものが考えられます。
ご相談を受ける際、お客様は異物が何であるかをある程度予想している場合が多いです。しかし、分析項目への予断がある場合、見落としや誤判定のリスクが高まるため、注意が必要です。
予断による見落とし
例えば、お客様が異物が金属片であると予想している場合、分析項目を金属元素に限定してしまう可能性があります。実際には異物がプラスチック片や繊維である場合もあり、金属元素の分析では検出できない可能性があります。
予断による誤判定
分析結果を解釈する際にも、予断があると誤判定をしてしまう可能性があります。例えば、お客様が異物がプラスチック片であると予想している場合、分析結果で検出された微量の金属元素をプラスチック片に含まれる金属元素と誤認する等の可能性があります。
複数の分析項目が必要になる理由
異物の素材や素性を判断するためには、複数の分析項目を組み合わせることが必要です。異物の種類によって、元素組成、官能基、物理化学的性質などが異なるためです。
例えば、以下のような分析項目を組み合わせることで、異物の素材や素性をより詳細に特定することができます。
- 元素分析:元素の種類と割合を分析する
- 官能基分析:官能基の種類と数を分析する
- 分子量測定:分子の大きさを分析する
- 熱分析:熱的な性質を分析する
- 微生物分析:微生物の種類を分析する
当社の対応
試料現物を確認しながら専門知識と経験を活かして分析します。そのため、当社での分析では、試料現物が届いた段階で分析方法確認させていただきます。試料象や異物の種類に応じて適切な分析方法を選択し、分析結果を客観的に解釈することができます。
分析項目について予断を持たないことは、正確に分析を行うために最も重要なポイントです。分析結果を正確に判断するためにも、当社への相談については、以下の留意点をすることを検討してください。
その他、異物分析に関する留意点
- 分析対象の製品や食品の状態を記録しておく
- 異物の形状、色、大きさなどを記録しておく
- 異物の採取方法に注意する
参考資料
- AHCの異物試験とは?