飲用井戸の水質検査13項目について詳しく教えてください

 

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飲用井戸等の定期検査13項目

飲用井戸やその他の水源の安全性を確保するため、定期的な水質検査が重要です。水質検査は、水の安全性と品質を確認し、潜在的な健康リスクを防ぐために不可欠です。特に飲用井戸は、自然環境の影響を受けることを考慮し、汚染物質や有害微生物を定期的に調べることは大変重要になってきます。以下に、一般的な検査項目とその基準値を示します。

水質検査

飲用井戸水の検査項目と基準値、試験法

No検査項目基準値試験方法
1一般細菌100以下(CFU/mL)標準寒天培地法
2大腸菌検出されないこと特定酸素基質培地法
3亜硝酸態窒素0.04mg/L以下イオンクロマトグラフ法
4硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素10mg/L以下イオンクロマトグラフ法
5鉄及びその化合物0.3mg/L以下ICP-MS法
6塩化物イオン200mg/L以下イオンクロマトグラフ法
7カルシウム、マグネシウム等(硬度)300mg/L以下ICP-MS法
8全有機炭素量3mg/L以下全有機炭素計測定法
9pH値5.8以上8.6以下ガラス電極法
10異常でないこと官能法
11臭気異常でないこと官能法
12色度5度以下透過光測定法
13濁度2度以下積分球式光電光度法

検査項目と基準値

  1. 一般細菌

    基準値:100以下 (CFU/mL)
    一般細菌は、いわゆる雑菌です。検出した細菌の病原性に有り無しは区別ができません。その数が多い場合は水質の汚染を示唆します。一般細菌の数が多いと、微生物が繁殖しやすい環境であることが考えられ、水の衛生状態が良好でない可能性があります。したがって、100 CFU/mL以下に基準値が設けられています。

  2. 大腸菌

    基準値:検出されないこと
    大腸菌は、糞便由来の汚染を示す指標菌です。大腸菌が水中に存在することは、衛生的な状態ではない可能性があることを意味し、飲料水としては不適格となります。飲料水中には大腸菌が検出されないことが基準として求められています。

  3. 亜硝酸態窒素

    基準値:0.04mg/L以下
    亜硝酸態窒素は、窒素化合物が分解される過程で生成される物質であり、高濃度で存在すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、亜硝酸態窒素は酸素の運搬能力を低下させるメトヘモグロビン血症を引き起こす可能性があるため、その濃度は0.04mg/L以下であることと基準を設けられています。

  4. 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素

    基準値:10mg/L以下
    硝酸態窒素は、窒素化合物の最終分解産物であり、農業排水や工業排水に含まれることがあります。亜硝酸態窒素と同様に、高濃度で摂取すると健康に有害な影響を及ぼす可能性があるため、総量を10mg/L以下であることと基準を設けられています。

  5. 鉄及びその化合物

    基準値:0.3mg/L以下
    鉄は、水中に自然に存在する元素ですが、高濃度で存在すると水の味や臭いに影響を与えることがあります。また、鉄は水の色を変え、赤みを帯びた色を呈することがあります。そのため、飲料水中の鉄の濃度を0.3mg/L以下であることと基準を設けられています。

  6. 塩化物イオン

    基準値:200mg/L以下
    塩化物イオンは、塩の成分として自然に存在しますが、その濃度が高いと水の味に影響を与え、塩味を感じさせることがあります。また、高濃度の塩化物イオンは、配管や設備の腐食を引き起こす可能性があります。したがって、塩化物イオンの濃度は200mg/L以下であることと基準を設けられています。

  7. カルシウム、マグネシウム等 (硬度)

    基準値:300mg/L以下
    硬度は、水中に含まれるカルシウムやマグネシウムの量を示します。硬度が高いと、水が「硬い」感じがし、味に影響を与えることがあります。また、硬度が高い水は、スケール(石灰質の沈殿物)を形成しやすく、配管や機器の性能に影響を与えることがあります。そのため、硬度は300mg/L以下が基準とされます。

  8. 有機物 (全有機炭素 (TOC) の量)

    基準値:3mg/L以下
    有機物は、水中に存在する炭素化合物を指し、微生物の餌となることがあります。TOC(全有機炭素)は、水中の有機物の総量を示します。有機物の量が多いと、微生物の繁殖を助ける可能性があるため、3mg/L以下であることと基準を設けられています。

  9. pH値

    基準値:5.8以上8.6以下
    pH値は、水の酸性度やアルカリ度を示します。pH値が基準範囲内にあることは、水の腐食性やスケール形成のリスクを低減するために重要です。pH値が5.8以上8.6以下であることが、安全でバランスの取れた水質を維持するための基準となります。

  10. 基準値:異常でないこと
    水の味は、その品質を評価するための重要な指標の一つです。異常な味がないことが確認されることで、水質が良好であることを示します。

  11. 臭気

    基準値:異常でないこと
    水の臭いもまた、水質を評価するための重要な指標であり、したがって異常な臭いがないことが確認されることで、水質が良好であることを示します。臭気の異常は、微生物の繁殖や有機物の分解になどが疑われます。

  12. 色度

    基準値:5度以下
    色度は、水の透明度を示す指標であり、色度が低いほど透明であることを意味します。色度が5度以下であることが基準です。色度が高いと、見た目に影響を与えるだけでなく、汚染物質の存在を示すこともあります。

  13. 濁度

    基準値:2度以下
    濁度は、水の濁りの程度を示します。濁度が高いと、水中に浮遊する微粒子や微生物の存在が疑われます。濁度が2度以下であることが求められます。

注意事項

異常値が出た場合、特に味の検査ができないことがあります。飲用井戸の水質検査は定期的に行い、異常が認められた場合は迅速に対策を講じることが重要です。これらの項目を定期的に検査し、基準値を満たしているかを確認することで、飲用井戸の水質を安全に保つことができます。

参考

厚生労働省

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