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食品 クレーム 異臭|原因調査と対応の実務ガイド

# 食品 クレーム 異臭|原因調査と対応の実務ガイド

食品 クレーム 異臭の対応は、品質管理担当者にとって最も緊張する場面の一つです。

そのため、お客様の声を真摯に受け止めつつ、原因を科学的に特定し、再発防止策を立てる必要があります。

この記事では、クレーム発生時の初動対応、原因究明の進め方、AHCの支援内容を実務目線で解説します。

なお、検査の全体像は異臭分析 150項目の検査ガイド、技術的な詳細はGC/MS/MS 異臭分析もご参照ください。

食品 クレーム 異臭の典型パターン

食品のにおいに関するクレームには、いくつかの典型パターンがあります。具体的には、原因を推定する上で役立ちます。

まず第一のパターンは、カビ臭です。「カビ臭い」「墨汁のような」「土っぽい」という訴えが多くあります。主な原因成分は、2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)、ジェオスミン、2-メチルイソボルネオールなどです。臭気閾値が極めて低く、微量でも強いにおいを発します。

次に、第二のパターンは、溶剤・石油臭です。「シンナーくさい」「ペンキくさい」「ガソリンのような」という訴えです。

原因成分はキシレン類(o/m/p)、トルエン、エチルベンゼンなど。包装材・印刷インキ・運搬用パレット等からの移香が多く疑われます。

さらに、第三のパターンは、油の酸化臭です。「油っぽい」「魚くさい」「段ボール臭」という訴えです。

ヘキサナール、オクタナール、2-ノネナール、2,4-デカジエナールなどが代表的な原因成分です。油脂を含む食品で時間経過とともに発生します。

第四のパターンは、消毒・薬品臭です。「プールのような」「消毒のような」「カルキ臭」という訴えです。クロロフェノール類、クレゾール類、ハロゲン化フェノール類が該当します。特に塩素系消毒剤の残留や、水道水の処理由来が疑われます。

第五のパターンは、獣臭・カメムシ臭です。「カメムシのような」「獣くさい」という訴え。2-ノネナール、2-デセナール、1-オクタノールなどが検出されます。つまり油脂の酸化が進行した状態です。

他にも硫黄系(ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド)、ハッカ・樹脂系(L-メントール、ピネン類)、発泡スチロール由来(スチレン)など、多様なパターンがあります。

クレーム発生時の初動対応

クレームが入った瞬間から、正しい初動が重要です。なぜなら後の原因究明と再発防止の成否を分けます。

まず、お客様からの情報収集を丁寧に行います。どんなにおいか、いつ気づいたか、保管状況、購入日、購入店舗、家族の反応など、できる限り多くの情報を集めます。専門用語ではなく、お客様の言葉で記録することが大切です。

次に、現品の確保です。可能であれば、クレーム対象の実物をお預かりします。送付が難しい場合は、冷蔵または冷凍で保管していただきます。常温放置は、時間経過で成分が揮散・変化するため避けます。

加えて、同ロット品の確保も重要です。製造ラインで同時期に作られた製品のサンプルを保管します。正常品と異臭品の比較分析で、原因特定の精度が大幅に上がります。

並行して、社内調査を開始します。該当ロットの製造記録、原料の仕入れ履歴、洗浄記録、設備メンテナンス履歴などを確認します。同じ日に他のクレームが入っていないかも重要な情報です。

最後に、外部の分析機関への相談です。初期評価だけでは判断できない場合、早めに専門機関に相談することをおすすめします。AHCでも初動段階からの相談を受け付けています。

原因究明のステップ

原因究明は段階的に進めます。ただし一足飛びに結論を出そうとせず、論理的に絞り込んでいきます。

まずステップ1は、官能評価です。この場合、社内の評価者数名で、正常品と異臭品のにおいを比較します。複数の評価者で共通して感じるにおいがあれば、その方向で調査を進めます。官能評価はあくまで仮説立てのための第一段階です。

次にステップ2は、簡易分析による仮説検証です。想定される化合物に絞った分析で、仮説が正しいか確認します。たとえば、カビ臭が疑われる場合、ジェオスミンと2,4,6-トリクロロアニソールの定量分析を依頼します。

そしてステップ3は、150項目スクリーニングです。仮説が外れた場合や、複数の原因が疑われる場合、包括的なスクリーニングに進みます。150項目のMRM分析と、未知成分のScan分析を同時実施します。

さらにステップ4は、原因経路の特定です。検出された成分から、どの工程で混入したかを推定します。原料、製造ライン、包装材、保管環境、運搬、販売店舗のどこに問題があったかを絞り込みます。

最後にステップ5は、改善措置の立案と検証です。原因箇所への対策(洗浄強化、設備更新、原料変更等)を実施し、対策後のサンプルで再度検査を行います。改善効果を数値で確認することが重要です。

なお各ステップで結果を記録し、対応履歴として残します。その結果、万が一、同様のクレームが再発した場合の対応資料になります。

実例:異臭の原因パターン

過去の実際のクレーム事例から、いくつかの典型パターンを紹介します(なお具体的な事業者名等は匿名化しています)。

事例1:製造ライン残留による移香

飲料製品から「ハッカのようなさっぱりしたにおい」のクレーム。

異臭品と正常品の150項目分析を実施したところ、異臭品からL-メントール、ベルベノール、サリチル酸メチルなどハッカ系成分が正常品の4〜5倍検出されました。

調査の結果、同じラインで前日に清涼感のある飲料を製造しており、洗浄不足が原因と判明。洗浄工程の強化で解決しました。

事例2:保管環境によるカビ臭汚染

粉末食品から「カビっぽい土のようなにおい」のクレーム。分析の結果、ジェオスミンとボルネオールが臭気閾値を大きく超えて検出されました。

調査で、保管倉庫の湿度管理不足が判明。除湿機の増設と定期的な環境モニタリングで対策しました。

なお、この事例ではアフラトキシン汚染との関連もチェック対象となりました。

事例3:原料ロット違いによる溶剤臭

食品原料から「シンナーのような溶剤臭」のクレーム。4つの仕入先の原料を比較分析したところ、1つの仕入先の原料からエチルベンゼン、キシレン類、ヘキサナールなどが高濃度で検出されました。

原因は、原料の運搬時に使用されたパレットからの移香と推定。該当仕入先との協議で、運搬容器の改善が実施されました。

AHCのクレーム対応サポート

株式会社AHCはISO/IEC 17025認定の食品検査ラボです。クレーム対応では、検査だけでなく、総合的な支援を提供しています。

第一のサポートは、迅速な初期対応です。クレーム発生時の電話相談から、検査項目の提案、検体の受入まで一貫対応します。48年の食品衛生経験で、素早く的確な初期診断ができます。

第二のサポートは、検査戦略の設計です。闇雲に高額な検査を実施するのではなく、症状と経済性を考慮して段階的な検査プランを提案します。150項目スクリーニング、特定成分定量、微生物検査の組み合わせを最適化します。

第三のサポートは、微生物検査との同時対応です。においの異常は、微生物汚染と関連する場合があります。一般生菌数、カビ、真菌、特定病原菌(サルモネラ、リステリア等)を並行検査できます。

第四のサポートは、結果の専門解釈です。分析データを食品製造の現場視点で解釈し、原因経路の特定と改善措置を提案します。報告書を渡すだけの対応はしません。

第五のサポートは、秘密保持の徹底です。クレーム案件は対外公表できない機密情報が多くあります。AHCは食品業界の秘密保持を徹底しています。

食品のクレーム・異臭でお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせフォームまたは027-253-1515までご相談ください。

外部参考リンク

消費者庁 食品表示・食品の安全 – 消費者対応の公的ガイド
厚生労働省 食品衛生 – 食品衛生の公的情報

異臭分析 150項目の検査内容、依頼場面、結果の読み方を解説。AHCは微生物検査との同時対応でクレーム原因究明をワンストップ支援。

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