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脂質の分析方法|ソックスレー法と酸分解法の使い分け

脂質分析は、栄養成分表示の義務5項目の1つです。本記事では公定法の試験法を整理します。食品種類による使い分けを解説します。

脂質分析は、食品の栄養成分表示で必須の項目です。食品表示基準では複数の試験法が認められています。具体的にはソックスレー法・酸分解法などです。

本記事では、各試験法の原理と適用食品を整理します。検査依頼前の検討資料としてご活用ください。

よくお寄せいただくご相談

  • 食品表示用の脂質値を、どの試験法で測定すべきか判断したい
  • 肉・魚・乳製品で適切な抽出法を確認したい
  • クロロホルムを使わない代替分析法を相談したい
  • 結合脂質を含む食品で正確な脂質値を求めたい

脂質分析の基本|溶媒抽出-重量法とは

食品から脂質を抽出して重量を測る

脂質分析は、有機溶媒で脂質を抽出する方法が基本です。具体的には食品から脂質成分を取り出し重量を測定します。

つまり、食品成分表2020年版(八訂)で「溶媒抽出-重量法」として統一されています。脂質の総量を直接重量で求める仕組みです。

食品表示基準で認められた試験法

食品表示基準では、複数の試験法が認められています。具体的にはソックスレー法・酸分解法・液-液抽出法などです。

つまり、食品の種類によって最適な方法が異なります。検査機関は食品特性に応じて適切な試験法を選定します。タンパク質の分析方法と同様、脂質も食品によって使い分けが必要です。

主要な試験法と適用食品

主な脂質試験法を比較表で整理しました。食品の性質に応じて選択します。

試験法原理適用食品
ソックスレー法エーテルで連続抽出して秤量穀類・野菜・調理加工食品など一般的な食品
酸分解法塩酸で前処理後にエーテル抽出肉類・魚類・種実類・乳製品など結合脂質を含む食品
レーゼ・ゴットリーブ法アンモニア水で脂肪球破壊後にエーテル抽出牛乳・乳製品(液状)
クロロホルム・メタノール法クロロホルム・メタノール混液(2:1)で抽出多糖類が多い食品(伝統的、近年は規制で減少)
液-液抽出法サイフォン管なしソックスレー管で抽出加工食品など特定マトリクス

出典:食品表示基準別表第9、日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ソックスレー法の原理と特徴

連続抽出による古典的手法

ソックスレー法は、19世紀後半に開発された古典的な手法です。具体的にはエーテルを使った連続抽出が原理です。

つまり、装置内で溶媒が循環して試料から脂質を取り出します。所要時間は通常16時間程度です。

適用食品と注意点

ソックスレー法は、穀類や野菜など一般的な食品に適用されます。なお、結合脂質を多く含む食品には不向きです。

たとえば肉類・魚類・乳製品では、脂質が他の成分と結合しています。そのため、ソックスレー法だけでは十分に抽出できません。この場合は酸分解法が必要です。

酸分解法の原理と特徴

塩酸で結合脂質を遊離させる

酸分解法は、塩酸で試料を前処理する方法です。具体的には塩酸加熱処理で結合脂質を遊離させます。次にエーテルで液-液分配して抽出します。

つまり、結合脂質も含めた全脂質が定量できます。エーテル層を水で洗浄後、溶媒を除去して残留物を秤量します。

幅広い食品に適用可能

酸分解法は、肉類・魚類・種実類・乳製品まで幅広く適用できます。さらに、配合飼料分野でも採用が進んでいます。

たとえば全脂粉乳ではレーゼ・ゴットリーブ法と同等の値が得られます。検査機関では適用範囲の広さから第一選択肢になることが多い手法です。

脂質と熱量計算の関係

脂質値はAtwater係数で熱量に反映

脂質量は熱量計算に直接使われます。具体的には脂質1gあたり9kcalで計算します。これがAtwater係数です。

つまり、脂質値が0.1g違うと熱量に約1kcalの差が出ます。表示精度の観点でも正確な分析が重要です。詳細は栄養成分表示の義務5項目もあわせてご覧ください。

トリアシルグリセロール当量との違い

近年、より正確な脂質値の検討も進んでいます。具体的には脂肪酸のトリアシルグリセロール当量で表した脂質量です。

ただし、脂肪酸の個別定量を要するため実行可能性は限定的です。現状は溶媒抽出-重量法が公定法の中心です。

脂質分析の検査依頼で押さえておきたい4つのポイント

脂質分析の検査をご依頼いただく際、結果の精度を高めるためにお伝えいただきたい情報があります。具体的には4つのポイントです。

No.ご相談・ご共有いただきたい項目お伝えいただきたい情報
1食品の種類と原料構成結合脂質の有無を判断するため(肉・魚・乳・穀類など)
2想定される脂質含量サンプル量と試験法を選定するため
3用途・目的栄養成分表示・強調表示・社内品質管理など
4サンプルの状態固形・液体・粉末の別、保存条件、製造日

関連する栄養成分試験との組み合わせ

脂質分析は、他の栄養成分試験と組み合わせるケースが多くあります。たとえば栄養成分表示の義務5項目を一括でご依頼いただくのが一般的です。

さらに、タンパク質の分析方法と組み合わせれば、Atwater係数による熱量計算まで完結します。乳製品では乳酸菌飲料の規格基準に基づく試験との並行依頼もよくあります。

AHCで対応している関連試験

当社でご相談いただける脂質分析と関連試験を整理しました。

試験項目対応可否備考
脂質分析(ソックスレー法)対応穀類・野菜・加工食品
脂質分析(酸分解法)要相談肉・魚・乳製品など結合脂質食品
栄養成分表示の義務5項目セット対応熱量・タンパク質・脂質・炭水化物・食塩相当量
脂肪酸組成分析要相談飽和・不飽和・トランス脂肪酸別
酸価・過酸化物価要相談油脂の酸化指標

※具体的な対応可否は個別にお問い合わせください。

こんな方からのご相談を承っています

脂質分析は、以下のような方々からのご相談実績があります。

  • 加工食品メーカーで栄養成分表示の作成を進めている方
  • 食肉加工・水産加工で結合脂質を含む製品の分析が必要な方
  • 乳製品メーカーで規格基準試験をご検討の方
  • 「低脂質」「ノンオイル」強調表示の根拠試験をご検討の方
  • 新商品開発で脂質設計と熱量計算をご検討の方

ご相談から納品までの流れ

初めてご利用の方にも分かりやすい流れでご案内しています。

  1. お問い合わせ:まず、フォームまたはお電話でご相談
  2. 試験設計のご提案:次に、製品特性・用途をお伺い
  3. お見積もり:そのうえで、検査項目・サンプル数・納期を提示
  4. 検体送付:さらに、送付方法と必要量をご案内
  5. 試験実施・結果報告:そして、成績書を発行

AHCについて

AHCは1977年創業の食品検査ラボです。脂質分析を含む栄養成分試験を、食品特性に応じてご提案しています。

具体的な検査項目・サンプル数・納期は個別見積りにてご相談ください。栄養成分表示の作成段階からのご相談を歓迎します。

関連記事:栄養成分表示の義務5項目タンパク質の分析方法乳酸菌飲料の規格基準ビフィズス菌の検査方法

お問い合わせ:お問い合わせフォーム
お電話:027-253-1515(平日 8:30〜17:30)

まとめ|脂質分析の試験法を理解する

脂質分析は、有機溶媒で抽出して重量を測る方法が基本です。具体的にはソックスレー法・酸分解法などの公定法があります。

つまり、食品の種類で最適な試験法が変わります。結合脂質を含む食品は酸分解法が向きます。さらに、クロロホルム使用は規制対応で代替法へ移行中です。

検査依頼時には、食品特性をお伝えください。脂質分析でご不明な点があれば、AHCまでお気軽にご相談ください。


外部参考資料
・消費者庁「食品表示基準別添 栄養成分等の分析方法等」(公式)
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

食品中の脂質を分析する公定法を解説。ソックスレー法・酸分解法・レーゼゴットリーブ法の使い分け、クロロホルム代替、熱量計算との関係を整理。

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