📋 こんなご相談をよくいただきます
- 同定を頼めば、どこから入ったか分かるのか知りたい。
- お客様への回答に、同定の結果をどう書けばよいか。
- 拭き取ってしまった検体でも調べられるか。
- どこまで分かるかを聞いたうえで、依頼を決めたい。
カビ 同定 依頼の前に、分かる範囲を知っておくと判断が早くなります。
製品にカビが見つかると、まず「何のカビか」を調べたくなります。
ただし、同定で答えが出ることと、出ないことがあります。
そこを取り違えると、結果を受け取ってから困ることになります。
本記事では、依頼する側の視点で、範囲と検体の扱いを解説します。
検査そのものの内容は、真菌(カビ・酵母)・真菌同定とはをご覧ください。
同定で分かること・分からないこと
| 分かること | 分からないこと |
| 検体から取り出せたカビの種類 | どの工程で入ったかの断定 |
| そのカビが一般にどんな場所に多いか | いつ付着したかの特定 |
| 複数の検体から同じ種類が出たかどうか | 健康への影響の判断 |
| そもそもカビかどうか | 責任の所在 |
同定の結果は、原因を絞り込むための手がかりです。
1検体だけでは、そのカビがどこから来たかまでは示せません。
健康への影響について、当社は判断する立場にありません。
「属まで」で足りる場合が多い
カビの分類は、属(グループ)と種(その中の個別)に分かれます。
形の観察で分かるのは、多くの場合は属までです。
属が分かれば、湿気に強いか、空気中に多いかといった見当はつきます。
対策を考えるうえでは、ここまでで足りることが少なくありません。
種まで分ける必要があるかは、目的を伺ったうえでご相談します。
検体の扱いで結果が変わる
カビの同定は、生きた菌を取り出せることが前提です。
検体の扱いによっては、調べられなくなることがあります。
| 検体の状態 | 同定のしやすさ |
| 現物がそのまま残っている | 最も調べやすい状態です。 |
| 拭き取ってしまった | 拭き取った布や綿棒が残っていれば、そこから試みます。 |
| 時間がたっている | 別のカビが増え、元の菌が分かりにくくなります。 |
| 加熱・消毒された | 菌が死んでいると、培養による同定はできません。 |
| 写真だけが残っている | 同定はできません。状況の参考資料として扱います。 |
現物が残っていない場合も、状況によっては別の方法を検討できます。
まずは残っているものをお知らせください。
結果を受け取ったあとの使い方
同定の結果は、そのままでは対策になりません。
次のような使い方で、はじめて意味を持ちます。
| 使い方 | 内容 |
| 工場内の調査につなぐ | 同じ種類が製造環境から出るかを調べ、発生源を絞ります。 |
| 前回の事例と比べる | 同じ種類が繰り返し出るなら、共通の原因が疑えます。 |
| 説明の材料にする | 調べた事実として示せます。断定の表現にはしません。 |
| 対応は依頼主が決める | 回収や回答の方針を決めるのは依頼主です。当社は判断材料をご提供します。 |
製造環境を調べる方法は、施設のカビ検査をご覧ください。
増殖か付着かの見分け方は、食品 カビ 混入で解説しています。
カビ以外の可能性もある
黒い点や白い粉が、カビでないことは珍しくありません。
原料の成分が固まったものや、包装由来のものもあります。
何か分からない段階でも、そのままお送りください。
細菌の場合は菌種同定、毛髪は異物 毛髪で扱います。
AHCの対応範囲
| 項目 | 対応 |
| カビの分離・同定 | 自社で対応 |
| カビ・酵母数の測定 | 自社で対応 |
| 施設の環境調査(落下菌・浮遊菌) | 自社で対応 |
| 細菌の菌種同定 | 自社で対応 |
👥 こんな方からのご相談を承ります
- 食品メーカーの品質管理・お客様相談のご担当者
- 化学品・資材メーカーで製品の変色を調べたい方
- 工場の環境管理を担当されている方
- 建物の管理・施工に関わる方
5ステップで進む検査の流れ
🏢 株式会社AHCについて
1977年創業の食品微生物検査ラボとして、カビの分離・同定と環境調査を全国対応で承ります。当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りいたします。関連記事:真菌(カビ・酵母)・真菌同定とは / 施設のカビ検査 / 食品 カビ 混入
まとめ
同定で分かるのは、検体から取り出せたカビの種類です。
どの工程でいつ入ったか、健康への影響は示せません。
結果は、工場内の調査や過去の事例と比べて使います。
現物は拭き取らず、そのまま早めにお送りください。
何か分からない段階でも、ご相談いただけます。
お問い合わせフォーム、またはお電話(027-253-1515)でご連絡ください。
