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食品 カビ 混入|増殖と付着の見分け方とクレーム対応

📋 こんなご相談をよくいただきます

  • お客様から「製品にカビが生えている」と連絡があった。何を調べればよいか。
  • 同じ製品で2回目のクレーム。原料と工程のどちらが原因か知りたい。
  • 賞味期限内なのにカビが出た。期限設定を見直すべきか判断したい。
  • 返品された現物を預かっている。どのように送ればよいか。

食品にカビが生えたというクレームでは、まず何のカビかを調べます。ただし、それだけでは原因にたどり着けません。

カビは空気中のどこにでもいます。「カビがいた」という事実だけでは、原料由来か、工程で入ったか、流通中に生えたかを区別できません。

この記事では、検査で分かることと分からないことを整理します。そのうえで、原因の切り分けをどう進めるかを扱います。異物全般の考え方は異物検査とはに、虫の場合は食品への虫の混入にまとめています。

「生えた」のか「混入した」のか

最初に分けるべき点があります。製品の中でカビが増殖したのか、カビの塊が異物として入ったのかです。見た目が似ていても、原因も対策もまったく違います。

状態 見え方 主に疑う原因
増殖した 製品の表面に広がっている。中心から周辺へ円形に育っている 殺菌不足、包装の不良、保管温度、水分活性の設定
混入した 塊として存在する。周囲に広がっていない 原料への付着、工程での落下、器具の汚れ

増殖であれば、製品の設計や保管の問題です。混入であれば、工程管理の問題になります。現物を顕微鏡で観察すると、判断がつく場合があります。菌糸が製品に食い込んでいるかどうかを見ます。

検査で分かること、分からないこと

期待と実際にずれが生じやすい部分です。先に整理します。

分かること 分からないこと
付着物がカビかどうか いつ付いたのか(時期の特定)
どのようなカビか どこで付いたのか(検査単独では特定できない)
増殖したのか付着したのか 健康被害が生じるかどうかの断定
製造環境のカビと同じ種類か 誰の責任かの判定

同定の結果だけで発生源は決まりません。工程や保管条件と突き合わせて、はじめて絞り込めます。

たとえば製造環境のカビと現物のカビが一致すれば、工程由来を疑う根拠になります。一致しなければ、流通や消費者側での発生を検討します。

環境との突き合わせが要る

現物だけを調べても、比較対象がありません。工程由来かどうかを見るには、製造環境のカビを並行して調べる必要があります。

落下真菌、空中浮遊菌、製造設備のふきとりが対象です。施設のカビ検査で扱っている内容と重なります。

クレームが繰り返し起きているなら、この環境側の調査まで含めて設計してください。現物の同定だけでは、次の一手が決まりません。

増殖が疑われる場合に見る項目

製品でカビが増殖したのであれば、増える条件が揃っていたことになります。設計値と実測値のずれを探します。

項目 見る理由
水分活性 カビは細菌より低い水分でも増える。設計値を満たしているかを確認する
pH 酸性でもカビは増える。細菌を抑える設計がカビには効かない場合がある
真菌数 同一ロットの未開封品を測る。製品全体の傾向を見る
包装の状態 ピンホールやシール不良がないか。ガス置換や脱酸素剤が効いていたか
保管温度の記録 流通中の温度逸脱がなかったか。検査ではなく記録の確認になる

水分活性の考え方は水分活性とはにまとめています。包装形態のリスクは真空パックの微生物リスクをご覧ください。

賞味期限内に発生した場合は、期限設定そのものの見直しが必要になることがあります。賞味期限の設定方法もあわせてご覧ください。

現物の扱い方

検査の結果は、現物の状態で決まります。届いた時点で乾ききっていることがあります。逆に全体へカビが回っていることもあります。どちらも当初の状態が読めません。

してほしいこと 理由
現状のまま保管する 拭き取ったり洗ったりすると、増殖か付着かの判断ができなくなる
冷蔵で保管・送付する 常温で置くとカビが広がり、当初の範囲が分からなくなる
写真を撮っておく 受け取った時点の状態が記録になる。輸送中の変化と区別できる
同一ロットの未開封品も送る 比較対象になる。製品全体の問題か、その1個の問題かが分かる
包装ごと送る シール不良やピンホールが原因のことがある。中身だけでは分からない

現物がすでに廃棄されている場合もあります。その場合、写真と製造記録から検討することになりますが、分かることは限られます。クレームを受けた時点で現物を確保しておくことが、後の調査を左右します。

お客様への回答をどう組み立てるか

検査結果が出ても、それをそのまま伝えるだけでは回答になりません。相手が知りたいのは、食べてしまって大丈夫か、なぜ起きたのか、次はどうするのかです。

順序 内容
1 何を調べたか。現物のどこを、どのような方法で見たか
2 結果として何が分かったか。事実だけを書く
3 そこから推定されること。断定できない部分はその旨を書く
4 再発防止のために何を変えるか

推定を事実のように書かないでください。後から別の原因が判明したとき、説明が破綻します。分からないことは分からないと書くほうが、結果として信頼を保てます。

異臭のクレームも、進め方の考え方は同じです。食品クレームの異臭対応をご覧ください。

依頼のポイントと実務

お伝えいただきたいこと 理由
製品の種類と包装形態 水分活性や酸素の条件で、増える種類が変わる
製造日と発見日 経過日数から、増殖の速さが妥当かを検討できる
保管の経路 流通の温度帯と、消費者の手元での期間
同種のクレームの有無 単発か継続かで、調査の範囲が変わる
回答の期限 培養には日数がかかる。急ぐ場合は範囲を絞る判断が要る

AHCの対応範囲

項目 対応
食品のカビ混入の調査 ✅ 承ります。実績があります
カビの同定 ✅ 承ります。どこまで特定できるかは現物の状態によります
製造環境の調査 ✅ 落下真菌・浮遊菌・ふきとりを承ります
発生源の推定 製造工程や保管条件をお聞きしたうえでご相談します。検査結果のみで断定はいたしません
費用 項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りします

当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。

👥 こんな方からのご相談を承ります

  • カビのクレームを受け、お客様への回答を組み立てたい方
  • 同じ製品でクレームが繰り返し、原因を絞り込みたい方
  • 賞味期限内の発生で、期限設定の妥当性を確かめたい方
  • 製造環境まで含めて調査したい方

5ステップで進む検査の流れ

STEP 1
お問い合わせ・ヒアリング(製品と経過をお聞きします)
STEP 2
検査項目のご提案とお見積り
STEP 3
現物の送付(冷蔵・包装ごと・未開封品も添えて)
STEP 4
観察と培養、同定
STEP 5
試験成績書の発行とご報告

まとめ

食品のカビ混入では、増殖か付着かの切り分けが出発点になります。同定の結果だけで発生源は決まりません。製造環境の調査や製造記録と突き合わせて、はじめて絞り込めます。

現物の扱いが結果を左右します。拭かず、冷蔵で保管し、包装ごと、同一ロットの未開封品を添えてお送りください。

カビや酵母の検査そのものは真菌(カビ・酵母)検査とはにまとめています。環境側は施設のカビ検査をご覧ください。

ご相談はお問い合わせフォームから承ります。お電話(027-253-1515)でも受け付けています。

🏢 株式会社AHCについて

1977年創業の食品微生物検査ラボとして、異物・カビの調査を全国対応で承ります。関連記事:異物検査とは / 食品への虫の混入 / 微小異物検査

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