📋 こんなご相談をよくいただきます
- 賞味期限の手前でカビが出た。どこを直せばよいのか。
- 焼いているのに菌が出る。加熱すれば安全ではないのか。
- あんこの日持ちが季節で変わる。理由を知りたい。
- 贈答用に期限を延ばしたい。何を測ればよいか分からない。
焼菓子 検査を考えるとき、まず知っておきたいことがあります。焼菓子や和菓子には、食品衛生法の成分規格がありません。かつて洋生菓子には衛生規範がありましたが、それも令和3年6月に廃止されています。
つまり、合否のラインは自社で決めるしかありません。判断の軸になるのが水分活性です。この記事では、日持ちを決める仕組みと、項目の選び方を解説します。
焼菓子 検査で軸になるのは水分活性
菓子の日持ちは、糖度でも保存料でもなく、まず水分活性で決まります。焼いた直後は菌がほぼいません。それでもカビが生えるのは、増えられる環境が残っているためです。
| 状態 | 起きやすいこと |
| 水分が多い生地 | 細菌もカビも増えられる |
| 中間の水分 | 細菌は止まるが、カビは増える |
| 糖度が高いあん | 耐浸透圧性の酵母が問題になる |
| よく乾いた焼菓子 | 微生物より、油脂の酸化が先に来る |
したがって、製品ごとに見るべき相手が変わります。水分の多い和菓子ならカビと細菌の両方です。乾いた焼菓子なら、むしろ風味の劣化を追うことになります。基準値の考え方は水分活性のガイドにまとめました。
洋生菓子とは分けて考える
同じ菓子でも、洋生菓子は性格が違います。生クリームや卵を使い、加熱後に手作業が入るためです。黄色ブドウ球菌のリスクが前面に出ます。
焼菓子と和菓子では、そこまで手が触れません。かわりに、焼き上がりから包装までの時間が効いてきます。冷めるのを待つあいだに、空気中のカビ胞子が落ちるからです。洋生菓子の検査は洋生菓子の検査とはで解説しています。
季節で日持ちが変わる理由
夏場だけ日持ちが落ちる、という相談をよく受けます。原因は2つです。まず、放冷室の温度と湿度が上がります。そのため、冷めるまでの時間が延びます。次に、空気中のカビ胞子そのものが増えます。つまり、同じ作り方でも条件が変わっています。したがって、季節ごとに実測しておくと判断が早くなります。
検査項目の選び方
項目は、製品の水分と工程から逆算します。全部を測る必要はありません。
| 項目 | 何が分かるか |
| カビ・酵母 | 期限内の変敗。菓子で最も相談が多い |
| 一般生菌数 | 全体の汚染度と、日持ちの見当 |
| 大腸菌群 | 焼成後の二次汚染を映す |
| 黄色ブドウ球菌 | 仕上げに手作業がある製品で見る |
| 水分活性 | 日持ちの土台。期限設定の根拠になる |
| 酸価・過酸化物価 | 油脂を含む焼菓子の劣化を数値にする |
あんを使う製品では、酵母を落とさないでください。糖度が高いと細菌は止まります。しかし糖に強い酵母は増えます。膨らみや発泡として現れるのはこのためです。
また、包装材そのものも見落とせません。フィルムや箱を湿った場所に置くと、そこがカビの供給源になります。倉庫の環境まで含めて確かめてください。
カビを抑える3つの押さえどころ
焼成でカビは死にます。ですから、問題は焼いた後にあります。どこから付くのかを絞り込むと、対策は自然に決まります。
| 押さえどころ | 具体的な手 |
| 放冷の環境 | 落下菌を測り、空気の流れを見直す |
| 冷ます時間 | 短くする。露が付く温度で置かない |
| 包装の設計 | 脱酸素剤やアルコール製剤を組み合わせる |
製造環境のカビは測れます。落下菌や浮遊菌の調べ方は施設のカビ検査をご覧ください。同じ考え方は麺やパンにも通じるので、麺類 検査もあわせて参考になります。
期限を延ばしたい場合は、菌を接種して確かめる方法があります。チャレンジテストで解説しました。実測の裏づけがあれば、賞味期限の設定にも自信を持てます。
焼菓子 検査のご依頼について
👥 こんな方からのご相談を承ります
- 和菓子店・洋菓子工房で、自主検査の項目を決めたい方
- 期限内のカビ発生について、発生源を調べたい方
- 贈答用や通販向けに、日持ちを延ばしたい方
- 取引先から規格書の提出を求められている方
AHCの対応範囲
| 内容 | 対応 |
| 一般生菌数・大腸菌群・黄色ブドウ球菌 | ✅ 承ります |
| カビ・酵母、変敗品の原因調査 | ✅ 承ります |
| 水分活性・pH | ✅ 承ります |
| 酸価・過酸化物価 | ✅ 承ります |
| 製造環境の落下菌・浮遊菌 | ✅ 承ります |
当社はISO/IEC 17025認定ラボ(PJLA L26-134)です。費用は項目数と検体数により変わるため、個別にお見積りいたします。
5ステップで進む検査の流れ
まとめ
焼菓子と和菓子には、国が示す基準がありません。したがって、水分活性を軸に自社で決めることになります。ここが決まると、必要な項目も自然に絞られます。
そして、カビは焼いた後に付きます。原料でも配合でもなく、放冷から包装までが勝負どころです。期限内の変敗が続くなら、製品だけでなく環境も測ってください。
菓子の検査でお困りの際はお問い合わせフォームからご相談ください。お電話(027-253-1515)でも承ります。
外部参考資料
